Claude Desktop「コード」タブ と Claude Code CLI の機能比較

作成日:2026年8月28日 / 出典:Anthropic 公式ドキュメント(Desktop applicationCLI reference

前提:中身のエンジンは同じものです。公式ドキュメントは「CLI をすでに使っているなら、Desktop は同じエンジンをグラフィカルな画面で動かしているだけ」と明記しています。設定ファイル(CLAUDE.md、settings.json、MCP、フック、スキル)も共有されます。違うのは「外側の器(ハーネス)」の部分です。
※ハーネス=AIを取り囲む仕組み。使える道具、権限の扱い、画面のことです。馬具が語源。くわしくはハーネスとは何かで解説しています。

1. Desktop の「コード」タブだけができること

1-1. 画面・作業スペース

機能内容CLI 側の状況
複数セッションの並列サイドバーにタブとして並ぶ。Ctrl+Tab で切り替え。状態・プロジェクト・環境で絞り込み、プロジェクト単位のグループ化もできるターミナルの窓を別々に開く(一覧画面はない)
2セッション同時表示Cmd+クリックで画面を左右分割し、2つのセッションを並べて見るなし
自動 worktree(作業コピー)Git リポジトリなら、セッションごとに独立した作業コピーを自動生成。<project>/.claude/worktrees/ に置かれ、場所とブランチ接頭辞を設定で変更可--worktree / -w を自分で付ける
ペインの自由配置chat・diff・browser・terminal・file・plan・tasks・subagent の各枠をドラッグで並べ替え・リサイズ。macOS では iOS シミュレータ枠もなし(v1.2581.0 以降が必要)
統合ターミナルCtrl+` で開く。セッションの作業フォルダ・環境をそのまま共有するので npm test が同じファイルを見る。ローカルセッション限定そもそもターミナルの中にいる
ファイル編集ペインチャット内のパスをクリックで開き、手直しして保存。ディスク側が変わっていれば警告。ローカルと SSH セッションのみなし(別途エディタを開く)
表示モードの切替Normal/Verbose(全ツール呼び出し)/Summary(最終結果のみ)を Ctrl+O で循環--verbose はあるが3段階の切替はない
使用量リングモデル選択の横で、セッションのコンテキスト使用量とプラン使用量を確認コマンドで確認
OS 通知見ていないセッションが作業を終えると通知が出る標準ではなし

1-2. コードレビュー・PR まわり

機能内容CLI 側の状況
差分ビュー+12 -1 の表示をクリックしてファイル一覧と変更内容を並べて確認テキストの差分表示のみ
行単位のコメント差分の任意の行をクリックしてコメント。複数まとめて Cmd+Enter で送信 → Claude が直して新しい差分を出すなし
Review code ボタンコミット前に Claude 自身が差分をレビューし、差分画面にコメントを残す。対象はコンパイルエラー・明白な論理ミス・脆弱性・バグ(体裁や lint で拾えるものは対象外)ボタンとしてはなし
CI ステータスバーPR を出すと CI の結果を監視。Auto-fix(失敗を読んで自動修正)と Auto-merge(全通過で squash マージ)のトグル。完了時にデスクトップ通知なし(GitHub CLI を自分で回す)
PR 完了で自動アーカイブPR がマージ/クローズされたらセッションを自動で片付ける設定なし

1-3. ブラウザ・プレビュー・画面操作

機能内容CLI 側の状況
アプリのプレビューClaude が dev サーバーを自動起動し、ブラウザ枠で表示。API エンドポイントの検証やログ確認も可能。設定は .claude/launch.jsonなし
自動検証(autoVerify)編集のたびに Claude が自分でスクショを撮り、DOM を調べ、要素をクリックし、フォームを埋めて不具合を直す。既定で ONなし
タブ式ブラウザ枠Cmd+Shift+B。ドキュメントや課題管理を横に開ける。Google OAuth などのログインも通る。個人ブラウザとは別のきれいなプロファイルChrome 拡張(--chrome)を使う
外部サイトへの操作サイトごとに「1回だけ許可/常に許可/拒否」。書き込み操作は全モードで安全分類器が審査。購入・アカウント作成・CAPTCHA 突破はしないChrome 拡張側の仕組み
iOS シミュレータ枠macOS で iOS アプリを起動・テスト。画面操作の許可は不要computer use 経由で操作
コンピュータ操作実際の画面をクリック・入力・ドラッグ。アプリ種別で権限が固定(ブラウザ=閲覧のみ/ターミナル・IDE=クリックのみ/その他=全操作)。macOS・Windows、Pro か Max のみ、リサーチプレビューmacOS で /mcp から有効化

1-4. セッション運用

機能内容CLI 側の状況
サイドチャットCmd+; または /btw。本題の文脈を読んだまま脇道の質問ができ、本流の会話は汚れない。保存はされないなし
他セッションの操作「認証の改修をやってたのはどれ?」のように尋ねると、他セッションの一覧・内容の確認・伝言・リネーム・アーカイブができる(アーカイブは必ず確認を取る)cross-session messaging はあるが一覧・管理まではしない
タスクペインサブエージェント、バックグラウンドのシェル、dynamic workflows の進行を一覧表示、個別に停止もなし
新セッションの提案チップ作業中に見つけた「別途直すべきこと」をチップで提案。押すと専用 worktree 付きの新セッションが立つなし
スケジュールタスク画面から定期実行を登録cron や CI で自分で組む
Dispatch 連携スマホから投げた作業が Code タブにセッションとして現れる(Dispatch バッジ付き)。承認が必要なときはプッシュ通知。Pro / Max のみ、Team・Enterprise 不可なし
Continue in メニューローカルセッションをそのまま Web へ移す(ブランチを push し、要約を作ってクラウドセッションを生成)、または IDE で開く--teleport は Web→ターミナル方向

1-5. 設定・拡張・実行環境

機能内容CLI 側の状況
ファイル添付画像・PDF などをドラッグ&ドロップで添付できない
@メンションの補完ファイル名を候補から選べる(ローカル・SSH のみ)文字で打つだけ
コネクタ UIGoogle Calendar、Slack、GitHub、Linear、Notion などを画面から追加(ローカル・SSH)設定ファイルに書く
プラグイン管理 UIプラグインブラウザで検索・導入・有効化・削除。マーケットプレイス対応/pluginclaude plugin コマンド
環境の選択ローカル/クラウド/SSH/WSL を起動前に選ぶフラグやコマンドで個別に指定
クラウドセッションAnthropic 側で実行。アプリを閉じても継続。複数リポジトリを追加でき、リポごとにブランチを選択--cloud で作成は可能
SSH セッション画面から接続先を登録。初回接続時に相手側へ Claude Code を自動導入。Linux か macOS が必要自分で ssh して claude を起動
ローカル環境変数エディタ環境ドロップダウンの歯車から入力。暗号化して保存され、全ローカルセッションと dev サーバーに効くシェルの環境変数をそのまま使う
claude_desktop_config.jsonチャット側の MCP 設定を Code タブでも読み込む読まない(claude mcp add-from-claude-desktop で取り込む)
Desktop 専用の管理者設定sshConfigssshHostAllowlistdisableDesktopLocalSessionsbrowserExternalPageToolsdisableBrowserExternalNavigationdisableMobileSimulatorToolsmanagedMcpServersCLI・IDE 拡張は読まない
MDM/グループポリシーmacOS は com.anthropic.claudefordesktop、Windows はレジストリ SOFTWARE\Policies\Claude該当なし

2. CLI だけができること

2-1. 自動化・スクリプト(最大の差)

機能内容Desktop 側の状況
一発実行モードclaude -p "質問" で答えて終了。対話画面を開かない対話専用。使えない
パイプ入力cat logs.txt | claude -p "説明して"なし
出力形式の指定--output-format text / json / stream-jsonなし
入力形式の指定--input-format stream-jsonなし
JSON スキーマ出力--json-schema で決まった形の JSON を受け取るなし
細かいストリーム制御--include-partial-messages(途中経過)、--include-hook-events(フックの発生事象)、--forward-subagent-text(サブエージェントの発話)、--replay-user-messagesなし
上限の設定--max-turns(往復回数)、--max-budget-usd(金額)なし
Agent SDKプログラムから Claude Code を組み込むなし
起動の軽量化--bare=フック・スキル・プラグイン・MCP・CLAUDE.md の自動探索を飛ばして高速起動なし
切り分けモード--safe-mode=カスタマイズを全部無効にして不具合の原因を切り分けるなし
キャッシュ最適化--exclude-dynamic-system-prompt-sections=機械ごとに変わる部分をプロンプトから外して再利用率を上げるなし
セッション永続化の停止--no-session-persistenceなし

2-2. システムプロンプトとツールの制御

機能内容Desktop 側の状況
プロンプト全置換--system-prompt / --system-prompt-file。既定の指示(ツールの使い方・安全指示・コーディング作法)を丸ごと捨てるなし
プロンプト追記--append-system-prompt / --append-system-prompt-file。既定を残したまま自分のルールを足すなし
サブエージェントへの追記--append-subagent-system-prompt-p 専用)なし
サブエージェントの動的定義--agents '{"reviewer":{...}}' と JSON で直接定義なし
ツールの絞り込み--tools "Bash,Edit,Read"(使える道具を限定)、--allowedTools(確認なしで通す)、--disallowedTools(禁止)セッション単位の指定は不可(設定ファイルのルールは効く)
権限モード dontAsk事前承認したツールだけを黙って使うモードDesktop にはない
Shift+Tab でモード循環キー操作で権限モードを回すメニューから選ぶ(Cmd+Shift+M
設定ソースの限定--setting-sources user,project,local--strict-mcp-config--settingsなし

2-3. バックグラウンド実行・チーム

機能内容Desktop 側の状況
エージェントチームClaude がリーダーとなり、共有タスクリストから仲間へ仕事を割り振るなし(代わりに dynamic workflows)
チーム表示モード--teammate-mode in-process / auto / tmux / iterm2なし
バックグラウンドエージェント--bg で投げて即座に戻る。claude agents(一覧・監視)、attachlogsrespawnstoprmなし
シェルジョブ化claude --bg --exec 'pytest -x'なし
常駐プロセス管理claude daemon status / daemon stop --anyなし
tmux 連携--tmux--worktree と併用。iTerm2 のネイティブ枠も使う)なし
リモートコントロールclaude remote-control でサーバーとして起動し、claude.ai やアプリから操作なし

2-4. 管理・保守コマンド

コマンド内容
claude doctor導入状態と設定ファイルの検証を、セッションを開かずに出力
claude project purgeプロジェクトのローカル状態(記録・ログ・編集履歴など)を一括削除。--dry-run で下見
claude import codex|gemini他のコーディングエージェントの設定を取り込む
claude setup-tokenCI 用の長期トークンを発行
claude gateway自社ホストのゲートウェイサーバーを起動(管理者向け)
claude self-hosted-runner自社インフラでクラウドセッションを走らせるランナーを登録
claude ultrareview非対話でレビューを実行。--json--post で PR にコメント投稿
claude auto-mode defaults / resetauto モードの判定ルールを確認・初期化
claude mcp login / logoutMCP サーバーの OAuth を画面なしで実行(SSH 越しは --no-browser
claude install [version]版を指定して導入・再導入
claude auth login/logout/status認証操作。status は JSON 出力、ログイン済みなら終了コード 0

2-5. その他のフラグ

フラグ内容
--add-dir作業対象フォルダを追加(Desktop はクラウドセッションの複数リポ追加のみ)
--fallback-model混雑時に切り替える代替モデルを順番で指定
--fork-session / --session-id再開時に新 ID を振る/ID を指定する
--from-pr特定の PR に紐づくセッションだけを一覧
--plugin-dir / --plugin-urlそのセッション限りでプラグインを読み込む
--ide起動時に IDE へ自動接続
--ax-screen-reader読み上げソフト向けに装飾のない平文で表示
--autocompact会話の自動要約が走る位置を一時的に変更
--advisor助言役モデルをセッション単位で指定
--betasベータ機能のヘッダを付ける(API キー利用者のみ)
--debug / --debug-file分類指定つきのデバッグ出力
--init / --init-only / --maintenanceセットアップ用フックだけを走らせる
--channelsMCP サーバーからの通知を受け取る(リサーチプレビュー)
第三者プロバイダAmazon Bedrock、Google Cloud Agent Platform、Microsoft Foundry へ直接接続

2-6. ターミナル専用の挙動

項目Desktop での違い
/permissions など対話パネルを開く系のコマンドは「この環境では使えません」と返る。設定ファイルを直接編集するか、CLI から実行する
/config設定画面が開くだけ。/config theme=dark のような引数は無視される
インライン補完どちらにもない(Desktop は会話と明示的な変更で進める)
LinuxDesktop はベータ。コンピュータ操作は未対応

3. どちらでもできること(共有される部分)

項目内容
CLAUDE.mdCLAUDE.mdCLAUDE.local.md を両方が読む
設定ファイル~/.claude/settings.json~/.claude.json。権限ルール・許可ツールも共通
MCP サーバー~/.claude.json.mcp.json の定義が両方で効く
フック・スキル設定に書いたものは両方に適用
プラグイン組織が集中管理していれば両方で使える
モデル同じ選択肢。Desktop は送信ボタン横のドロップダウンから途中変更も可
思考の深さ(effort)CLI は --effort、Desktop は Cmd+Shift+E
権限モード 4種Manual(default)/Accept edits/Plan/Auto は共通。Bypass permissions も条件付きで両方
worktreeCLI は -w、Desktop は自動
/compact会話が長くなったときの要約は両方
同時起動同じ機械・同じプロジェクトで同時に動かせる。履歴は別々、設定と CLAUDE.md は共有
/desktopCLI のセッションを Desktop へ引き継ぐ(macOS と x64 Windows、サブスク認証時のみ)

4. 落とし穴・注意点

項目内容
MCP の優先順位が違うCode タブのローカルセッションでは、同名サーバーがあると claude_desktop_config.json の定義が優先。さらに ~/.claude.json(ユーザー階層)と .mcp.json が同名 stdio サーバーを持つ場合、~/.claude.json が勝つ。これは CLI の階層ルールから外れた挙動
環境変数を全部は引き継がないmacOS で Dock から起動すると、シェル設定から PATH と一部の変数しか読まない。Windows は PowerShell プロファイルを読まない
「他セッション」の見える範囲Desktop が起動したセッション(ローカル・SSH・WSL)だけ。クラウドセッション、ターミナルの CLI、VS Code 拡張のセッションは見えない。既定は直近20件
Cowork タブは別系統Cowork のスキル・プラグイン・コネクタは claude.ai アカウント側から同期。~/.claude ディレクトリは見ない
クラウドセッションの制限Bypass permissions 不可、プラグインブラウザ不可、@メンション不可、ファイル編集ペイン不可
WSL セッションの制限+ ボタン(コネクタ・プラグイン)不可、@メンション不可、プラグイン不可
Windows の前提Code タブを使うには Git for Windows が必須。入れた後にアプリ再起動
PR 監視の前提GitHub CLI(gh)の導入と認証が必要
サイドチャットは保存されないアプリを閉じると戻れない

5. 使い分けの目安

こういうとき選ぶもの
複数タスクを並行し、状態を一目で見たいDesktop
変更を目で見て確認してから通したいDesktop(差分ビューと行コメント)
Web アプリを動かしながら直したいDesktop(プレビュー+自動検証)
スマホから仕事を投げたいDesktop(Dispatch)
スクリプトや CI に組み込みたいCLI(-p と出力形式)
SSH 越しに軽く動かしたいCLI
システムプロンプトを差し替えたいCLI
複数エージェントで分担させたいCLI(エージェントチーム)
Bedrock や Foundry を直接使いたいCLI

出典:
・Claude Code Docs「Desktop application」 https://code.claude.com/docs/en/desktop
・Claude Code Docs「CLI reference」 https://code.claude.com/docs/en/cli-reference
※機能は頻繁に更新されます。相違を感じたら公式ドキュメントで確認してください。

著者: 藤川忠彦(ふじかわ ただひろ) — 企業向けAI導入アドバイザー、神奈川県茅ヶ崎市。

ひとつの核を挟む二つの器でデスクトップ版とターミナル版の違いを表した表紙画像
FUJIKAWA LAB SPECIMEN 44 / 44