Photoshop × AI 初心者マニュアル

「赤い丸を描いて」と
話すだけで、動く。

AI(Claude)に話しかけるだけで、あなたのパソコンの Photoshop が実際に動く——そんな環境の作り方です。専門知識は要りません。この手順どおりに進めれば、20〜30 分で誰でも作れます。

Claude Desktop
あなた ▸ 新しい正方形のドキュメントを作って、赤い四角を描いて
 
Claude ▸ ドキュメントを作成しました。赤い四角を描画します……
     ✓ Photoshop に赤い四角を描きました
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Introduction

これは何ができるの?

ふだんお使いの Photoshop を、AI(Claude)への話し言葉で操作できるようになります。Photoshop の操作に慣れていない方でも、やりたいことを言葉で伝えるだけで、AI が代わりに手を動かしてくれます。

💬
EXAMPLES たとえば、こんなことができます
  • 「新しい画像を作って、青い背景にして」
  • 「文字レイヤーを足して、白い太字で『SALE』と入れて」
  • 「この画像にぼかしフィルターをかけて」
  • 「レイヤーを複製して、少しずらして影を作って」

むずかしいメニュー操作を覚える必要はありません。「こうしたい」を言葉にするだけです。このマニュアルは、コピー&ペーストができれば誰でも進められるように作られています。あわてず、ゆっくり進めていきましょう。

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How it works

仕組みをひとことで

AI(Claude)と Photoshop は、そのままでは会話できません。あいだに 「通訳役のソフト」を 1 つ入れます。やることは、これだけです。

🙂 あなた 話しかける
🤖 Claude AI 本体
🔁 通訳役のソフト photoshop-mcp
🎨 Photoshop 実際に動く

この「通訳役のソフト」が photoshop-mcp(フォトショップ・エムシーピー)です。無料で、誰でも使えます。

💡
MCP という言葉について

MCP とは「AI と外部のソフトをつなぐ共通の仕組み」の名前です。名前は覚えなくて大丈夫です。「AI が他のアプリを操作するための共通ルール」とだけ思っておけば十分です。

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Requirements

始める前に:必要なもの

準備するものは 4 つです。下の 2 つ(Claude Desktop と Node.js)は、これからこのマニュアルの中で入れていきます。

必要なもの説明費用
パソコンWindows または Mac
Adobe Photoshop2012〜最新版まで対応Adobe の有料契約が必要
Claude DesktopAI「Claude」のアプリ。これから入れます無料プランあり
Node.js通訳役を動かす土台。これから入れます無料
⏱️

所要時間

初めての方でも 20〜30 分ほど。途中で休んでも問題ありません。

📊

むずかしさ

★★☆☆☆ — コピー&ペーストができれば大丈夫です。

🖱️

必要なスキル

プログラミングの知識は不要。文章を貼り付ける操作だけです。

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Step 1

Node.js を入れる

「通訳役のソフト」を動かすための土台です。一度入れれば、あとは触りません。

⬇️
STEP 1 — INSTALL Node.js のインストール手順
  1. ブラウザで https://nodejs.org/ を開きます。
  2. LTS」と書かれた緑色のボタンをクリックして、ダウンロードします。
    (LTS は「安定版」という意味です。こちらを選んでください)
  3. ダウンロードしたファイルをダブルクリックします。
  4. インストール画面が出たら、すべて「次へ(Next)」で進めて完了させます。途中の設定は変えなくて大丈夫です。
🔄
確認のコツ

インストールが終わったら、パソコンを一度再起動しておくと、Node.js が確実に有効になります。Mac の方も同じ手順です。サイトから LTS 版をダウンロードしてください。

このステップのチェック

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Step 2

Claude Desktop を入れる

AI「Claude」のアプリです。これがあなたの話し相手になります。

⬇️
STEP 2 — INSTALL Claude Desktop のインストール手順
  1. ブラウザで https://claude.ai/download を開きます。
  2. お使いの OS(Windows / Mac)のボタンを押してダウンロードします。
  3. ファイルを開いてインストールします。
  4. インストールできたら Claude Desktop を起動し、ログイン(またはアカウント作成)します。

ここまでで、AI 単体は使える状態になりました。あとは Photoshop と「会話できる」ようにつなぐだけです。

このステップのチェック

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Step 3

通訳役を登録する(いちばん大事)

ここがいちばん大事なステップです。Claude に「Photoshop と話せるよ」と教える作業です。あわてず、ゆっくり進めてください。

3-1. 設定ファイルを開く

  1. Claude Desktop の左上のメニュー(または歯車アイコン)から「設定(Settings)」を開きます。
  2. 開発者(Developer)」という項目を選びます。
  3. 設定を編集(Edit Config)」というボタンを押します。
  4. claude_desktop_config.json というファイルが、メモ帳などで開きます。
📂
ボタンが見つからないとき(Windows)

エクスプローラーのアドレス欄に %APPDATA%\Claude と入力すると、フォルダが直接開きます。その中の claude_desktop_config.json を「メモ帳」で開いてください。

3-2. 中身を書き込む

ファイルの中身によって、やることが少し変わります。

パターン A:ファイルが空、または {} だけの場合

中身をすべて消して、下の文章をそのまま貼り付けてください。

claude_desktop_config.json
{
  "mcpServers": {
    "photoshop": {
      "command": "npx",
      "args": ["-y", "@alisaitteke/photoshop-mcp"]
    }
  }
}

パターン B:すでに何か書かれている場合

{ で始まり } で終わっているはずです。いちばん最初の { のすぐ下に、下の部分を貼り付けます。

追記する部分
  "mcpServers": {
    "photoshop": {
      "command": "npx",
      "args": ["-y", "@alisaitteke/photoshop-mcp"]
    }
  },

貼り付けた結果、たとえばこんな形になります(globalShortcut は一例です)。

貼り付け後の例
{
  "mcpServers": {
    "photoshop": {
      "command": "npx",
      "args": ["-y", "@alisaitteke/photoshop-mcp"]
    }
  },
  "globalShortcut": ""
}
💡
コツ:迷ったら AI に聞く

すでに "mcpServers" という言葉がある場合は、その中に "photoshop": { ... } の部分だけを足してください。迷ったら、貼り付けた内容を Claude に見せて「この設定ファイルは正しいですか?」と聞くのが確実です。

3-3. 保存する

ファイルを上書き保存します(メモ帳なら Ctrl + S)。これで登録は完了です。

このステップのチェック

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Step 4

起動して反映させる

順番が大切です。この順番で起動してください。

▶️
STEP 4 — RESTART この順番で起動する
  1. Photoshop を起動します。
    ※ Photoshop が開いていないと AI から操作できません。
  2. Claude Desktop を完全に終了します。画面を閉じるだけでは不十分です。Windows なら画面右下の小さなアイコン群(タスクトレイ)の Claude アイコンを右クリックして「終了(Quit)」を選びます。
  3. Claude Desktop をもう一度起動します。

これで設定が反映されます。

⚠️
「完全に終了」が肝心です

ウィンドウの「×」を押しただけでは、Claude はうしろで動き続けています。タスクトレイから「終了」を選ばないと、設定が読み込み直されません。

このステップのチェック

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Step 5

動作を確認する

仕上げです。Claude Desktop の入力欄に、まずこう打ち込んでみてください。

接続テスト
Photoshop に接続できているか確認して

うまくいっていれば、AI が「接続できました」「Photoshop のバージョンは○○です」のように答えます。

次に、本番のお試しです。

はじめての操作
新しい正方形のドキュメントを作って、赤い四角を描いて

Photoshop の画面が実際に動いて、赤い四角が描かれたら 大成功です。

初回は少し待ちます

初回は、通訳役のソフトを自動でダウンロードするため、返事まで 1〜2 分ほどかかることがあります。あわてず待ってください。

このステップのチェック

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Troubleshooting

うまくいかないときは

つまずいても大丈夫です。よくある症状と対処を、表にまとめました。

症状対処
Claude が Photoshop の話を理解しないClaude Desktop を「完全に終了」してから再起動したか確認します。
「接続できない」と言われるPhotoshop を先に起動しているか確認します。
反応がない・エラーが出るパソコンを再起動して、ステップ 4 からやり直します。
npx が見つからない等のエラーNode.js(ステップ 1)を入れ直し、パソコンを再起動します。
設定ファイルでエラーカッコ { } やカンマ , の数を確認します。AI に貼って点検してもらうのが確実です。
💬
困ったら、エラー文をそのまま AI に

それでも直らないときは、エラーの文章をそのまま Claude に貼り付けて「どうすればいい?」と聞くと、解決策を教えてくれます。

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Capabilities

できること・できないこと

この環境が得意なこと、苦手なことを正直にお伝えします。最初に知っておくと、安心して使えます。

🖼️

画像の作成・保存

新規作成、保存、書き出しまで言葉で指示できます。

📑

レイヤー操作

作成・複製・結合・移動を自由に組み合わせられます。

🔤

文字の追加・装飾

テキストレイヤーを足して、色や太さも指定できます。

フィルター・色調整

ぼかし・シャープ、明るさ・色合いの調整など 50 種類以上。

🚫
苦手なこと・できないこと

Premiere Pro や Illustrator の操作はできません(このツールは Photoshop 専用です)。また、とても細かい・複雑な指示は一度で思いどおりにならないこともあります。手順を小分けにして伝えると成功しやすくなります。

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FAQ

よくある質問

お金はかかりますか?
通訳役のソフト(photoshop-mcp)と Node.js は無料です。Photoshop は Adobe の有料契約が必要です。Claude Desktop は無料でも使えますが、たくさん使うなら有料プランが快適です。
安全ですか?
photoshop-mcp は、有志が作った非公式のソフトです(Adobe 公式ではありません)。広く使われていますが、ご利用は自己責任となります。不安な場合は、大事なファイルは別に保存してからお試しください。
Mac でもできますか?
できます。手順はほぼ同じです。設定ファイルの場所だけ異なり、Mac では ~/Library/Application Support/Claude/claude_desktop_config.json です。
Claude 以外の AI でも使えますか?
Cursor など「MCP」に対応した他の AI アプリでも、同じ通訳役を登録すれば使えます。まずは Claude Desktop で慣れるのがおすすめです。
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Summary

まとめ

おつかれさまでした。やることは、たった 5 ステップでした。

  1. Node.js を入れる(土台)
  2. Claude Desktop を入れる(AI 本体)
  3. 設定ファイルに通訳役を登録する(いちばん大事)
  4. Photoshop → Claude Desktop の順で起動
  5. 「接続できているか確認して」で動作チェック

この 5 ステップで、あなたの Photoshop が「AI に話しかけて動かせる」ようになります。セミナーで話題になった「ローカルの Photoshop を AI で操作する」が、これで実現します。

最初は思いどおりにならないこともあります。でも、言葉だけで Photoshop が動いた瞬間の「おおっ!」という感動は格別です。まずは「赤い四角を描いて」から、気軽に試してみてください。