修正の4つの方法
Claude Design の上達は「修正のうまさ」で決まります。最初の生成は80点で十分です。この章では、直したい内容に合わせて4つの修正方法(+おまけの1つ)を使い分けられるようになります。
- 4つの修正方法それぞれの操作手順が分かる
- 「この直しはどの方法が最適か」を症状から選べる
- 誤字の修正を、AI に頼まず数秒で終わらせられる
- 余白や色の微調整をスライダーで行える
修正は「作り直し」ではありません
第2章(はじめてのデザイン)で、最初のデザインを生成しました。ここからが本番です。Claude Design の基本サイクルは「指示 → 生成 → 修正」の反復です。一発で完成を狙う必要はありません。
初めての方がやりがちな失敗が、気に入らない部分があるたびに最初から全部作り直すことです。これは時間も利用枠(あなたのプランで使える量)ももったいない使い方です。すでにある画面の、直したい部分だけを直す。そのための道具が4つ用意されています。
| 方法 | ひとことで言うと | AI を使う? |
|---|---|---|
| ① チャット指示 | 左の会話欄で言葉で頼む | 使う |
| ② インラインコメント(Comment) | 直したい部分に付せんを貼って頼む | 使う |
| ③ テキスト直接編集 | 文字をその場で自分で書き換える | 使わない |
| ④ 調整スライダー(Adjust) | つまみを動かして微調整する | 使わない |
ポイントは「AI を使う修正」と「使わない修正」がある、という点です。AI を使わない修正(③④)は待ち時間がほぼなく、利用枠も消費しないと考えられます。まずは4つを順番に見ていきましょう。
方法① チャット指示 — 全体的な変更に
いちばん基本の方法です。左側のチャット欄に、直してほしいことを日本語で書くだけです。第2章で最初の生成に使ったのと同じ欄を、そのまま修正にも使います。
- 左のチャット欄をクリックする
画面左側、Claude との会話が表示されている領域の入力欄です。 - 直してほしいことを日本語で書く
例:「全体をもっと落ち着いた雰囲気にしてください」 - 送信して、右のキャンバスが更新されるのを待つ
Claude がデザイン全体を見直して反映します。
図:チャット指示は「左に書くと右が変わる」。全体に効く修正方法です。
向いている場面:全体的な変更や、大きな方針転換です。「配色を全部変えたい」「もっとシンプルな構成にしたい」「ページを1枚追加したい」のように、影響範囲がデザイン全体におよぶ修正はチャットで頼みます。
逆に「ここの1行だけ」のようなピンポイントの修正には向きません。言葉で場所を説明する手間がかかり、意図と違う場所が変わることもあるからです。そういうときは次の方法②の出番です。
指示があいまいだと、Claude のほうから「配色の希望はありますか?」のような逆質問が来ることがあります。面倒がらずに答えると仕上がりの精度が上がります。詳しい指示のコツは第4章(伝わる指示の書き方)で扱います。
方法② インラインコメント(Comment)— その部分だけ直したい時に
「この見出しだけ」「このボタンだけ」のように、特定の部分をねらって直す方法です。直したい要素に付せんでメモを貼るイメージで、英語では Comment(コメント)と呼ばれています。
- キャンバス上の直したい要素をクリックする
右側のキャンバスで、見出しや画像など直したい部分を選びます。選んだ要素の近くに小さなツールバー(ボタンの並び)が表示されます。 - ツールバーの「Comment(コメント)」を選ぶ
コメントの入力欄が開きます。 - その要素への指示を日本語で書いて送信する
例:「この見出しをもっと短く、力強い言葉にしてください」。Claude がその要素を対象に修正します。
図:要素をクリックするとツールバーが出ます。Comment(コメント)を選ぶと、その要素あての指示が書けます。
向いている場面:ピンポイントの修正です。チャット指示と違い「どこを直すか」をクリックで示すので、場所の説明が不要になり、ねらった部分だけが確実に対象になります。「3枚目のスライドの右下の…」と言葉で説明するより、ずっと速くて正確です。
方法③ テキスト直接編集 — 誤字修正に最速
文字の打ち間違いや固有名詞の修正なら、AI に頼む必要はありません。キャンバス上の文字は、その場で自分で書き換えられます。
- 直したい文字をクリック(またはダブルクリック)する
文字がその場で編集できる状態になります。 - キーボードでそのまま書き換える
ワープロの文書を直すのと同じ感覚です。 - 編集を終える
書き換えた内容はすぐに画面に反映されます。
向いている場面:誤字・脱字の修正、名前や日付の差し替えなど、文言だけの変更です。この方法は AI を介さず即反映されるので、生成の待ち時間がありません。利用枠も消費しないと考えられます。「誤字を直して」とチャットで頼むのは、待ち時間の面で損です。
直接編集できるのは文字の内容だけです。文字の色や大きさ、配置を変えたいときは、方法④の Adjust(調整)か方法②の Comment(コメント)を使ってください。
方法④ 調整スライダー(Adjust)— 余白・色・レイアウトの微調整に
「もう少しだけ余白を広く」「色をほんの少し薄く」のような微調整は、言葉で伝えるのが意外と難しいものです。そこで使うのが Adjust(調整)です。スライダー(左右に動かすつまみ)で、見た目を直接動かして調整できます。
- キャンバス上の調整したい要素をクリックする
方法②と同じく、要素の近くにツールバーが表示されます。 - ツールバーの「Adjust(調整)」を選ぶ
余白・色・レイアウトなどを調整するスライダーが表示されます。 - スライダーを動かして、ちょうどいい所で止める
動かした結果がすぐ画面に反映されるので、目で見ながら決められます。
図:Adjust(調整)を選ぶとスライダーが出ます。目で確かめながら微調整できます。
向いている場面:余白・色・レイアウトの「さじ加減」の調整です。「少し」「もうちょっと」の感覚は人によって違うので、AI に言葉で伝えるより、自分の手で動かして目で決めるほうが速く確実です。この方法も動かした結果がすぐ画面に反映されるため、待ち時間がほぼありません。
おまけ:キャンバス直接編集(ドラッグで動かす)
2026年6月のアップデートで、キャンバス上の要素をマウスのドラッグ(押したまま動かす操作)で直接動かせるようになりました。見たままを直接さわって編集できる方式です。
- キャンバス上の要素をクリックして選ぶ
移動やサイズ変更の対象になります。 - ドラッグして動かす、または端をドラッグして大きさを変える
図形や写真を並べ替えるのと同じ感覚です。色やフォント(文字の書体)などの設定も変更できます。
向いている場面:「この写真をもう少し右へ」「このボタンを少し大きく」のような、位置と大きさの直感的な調整です。これも動かした結果がそのまま画面に反映されます。
使い分け早見表 — この症状にはこの方法
4つ+おまけの使い分けを、よくある「直したい症状」から引ける表にまとめました。迷ったらこの表に戻ってきてください。
| 直したい症状 | 最適な方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 誤字・脱字、名前や日付の間違い | ③ テキスト直接編集 | AI を介さず即反映で待ち時間なし |
| この見出しだけ・このボタンだけ直したい | ② Comment(コメント) | クリックで場所を指せるので正確 |
| 余白・色・レイアウトを少しだけ調整したい | ④ Adjust(調整) | 目で見ながらさじ加減を決められる |
| 要素の位置や大きさを動かしたい | おまけ:ドラッグ | 直感的で待ち時間なし |
| 全体の雰囲気・配色・構成を変えたい | ① チャット指示 | デザイン全体に効かせられる |
| 内容の追加・大きな方針転換 | ① チャット指示 | 新しい生成が必要な変更はチャットで |
「言葉にしにくい微調整は自分の手で(③④・ドラッグ)、言葉で説明できる変更は AI に(①②)」と覚えると、ほぼ迷いません。さらに①と②は「全体なら①、一部分なら②」で分けます。
例題:同じ修正を4つの方法で体験する
知識として知っているのと、手が覚えているのは別物です。第2章で作った自己紹介スライドを開いて、同じ「見出しの色を変える」という修正を4つの方法すべてで試してみましょう。
第2章で作った自己紹介スライドのプロジェクトを開いてください。もし削除してしまった場合は、第2章の手順でもう一度作ってから進めてください。
- まず方法①(チャット指示)で変える
左のチャット欄に、次のプロンプトを貼り付けて送信します。コピーして使うプロンプト自己紹介スライドの見出しの色を、藍色系(例:#4338CA)に変えてください。本文の色はそのままにしてください。
- 次に方法②(Comment)で戻す
キャンバス上の見出しをクリックし、Comment(コメント)を選んで「この見出しの色を、落ち着いた深緑系に変えてください」と書いて送信します。①との違いを体感してください。①は場所を言葉で説明しましたが、②はクリックで示せます。 - 方法④(Adjust)で微調整する
同じ見出しをクリックして Adjust(調整)を選び、色のスライダーを動かして好みの濃さに整えます。「言葉にしなくても直せる」感覚がつかめます。 - 最後に方法③(テキスト直接編集)を確認する
見出しの文字をクリック(またはダブルクリック)して、文言を少しだけ書き換えてみます。色は変えられませんが、文字なら一瞬で直せることを確認します。
確認ポイント:①②は Claude の生成を待つ時間があり、③④は待ち時間がほぼないことに気づけたら成功です。この「待ち時間の差」が使い分けの根拠になります。
練習問題
自己紹介スライドの本文のどこかを、方法③で一度わざと間違った表記に書き換えてください(例:自分の名前を1文字違いにする)。そのうえで「この誤字を最速の方法で直す」としたら、4つのうちどれを使いますか。実際に直してみてください。
ヒントを見る
文言だけの修正に AI は必要ありません。待ち時間ゼロの方法がありましたね。
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方法③(テキスト直接編集)が正解です。間違った文字をクリック(またはダブルクリック)して、その場でキーボードで直します。チャットで「誤字を直して」と頼むと、生成を待つ時間がかかるぶん損です。
スライドの中で、文字や写真が詰まって見える部分を1つ選んでください。その部分の余白を、Adjust(調整)を使って少し広げてみましょう。
ヒントを見る
手順は「要素をクリック → Adjust(調整)→ 余白のスライダーを動かす」です。動かした結果はすぐ画面に反映されるので、見ながらちょうどいい所を探してください。
模範解答を見る
広げたい要素をクリックし、ツールバーの Adjust(調整)を選びます。余白のスライダーを右へ少しずつ動かし、見た目がすっきりした所で止めれば完了です。「もう少し広く」の「もう少し」は人によって感覚が違うので、チャットで言葉にするよりスライダーで目で決めるほうが速くて確実です。
スライドの中の要素(写真・見出しなど)を1つ選び、ドラッグでの直接編集を使って位置を動かしてみましょう。余裕があれば、大きさの変更も試してください。
ヒントを見る
要素をクリックして選んでから、マウスのボタンを押したまま動かします。大きさは要素の端をドラッグして変えます。
模範解答を見る
動かしたい要素をクリックして選び、押したまま目的の位置まで動かして離します。大きさを変えるときは、選んだ要素の端をつかんでドラッグします。思った場所と違う所に動いてしまったら、あわてずにもう一度ドラッグして戻せば大丈夫です。この操作は何度試しても待ち時間がほぼありません。
次の項目に自信をもって「はい」と言えたら、この章は合格です。