第9章

Claude Code との連携

Claude Design で作ったデザインは、絵のままで終わりません。ふだんお使いの Claude Code に引き渡すと、そのまま本物の Web ページやアプリに育てられます。この章では、デザインとコードを行き来させる2つの連携方法を学びます。

この章でできるようになること

下絵が、そのまま本物になる

これまでの章で作ってきたデザインは、いわば「よくできた下絵」です。見た目は本物そっくりですが、まだインターネット上で公開されて動く Web ページではありません。

この下絵を本物にするのが Claude Code です。藤川さんはすでに Claude Code を日常的に使っていますから、新しい道具は何も要りません。Claude Design と Claude Code は、次の2方向でつながっています。

方向やること使う機能
デザイン → コードClaude Design で作った下絵を、Claude Code に渡して本物のページとして実装してもらうExport(書き出し)内の Hand off to Claude Code(クロードコードへ引き継ぐ)
コード → デザイン手元のプログラム一式から色・文字・部品の決まりを Claude Design に取り込むClaude Code 側の /design-sync(デザイン同期の合図)

この2方向がそろっているので「デザインで下絵を描く → コードで実装する → 実装した結果をまたデザインに反映する」という往復ができます。まずはデザイン → コードの方向から見ていきましょう。

Design → Code:デザインを引き渡す

Hand off to Claude Code とは

第8章(書き出しと共有)で学んだ Export(書き出し)メニューには、PDF や PPTX と並んで Hand off to Claude Code(クロードコードへ引き継ぐ) という項目があります。

claude.ai/design
左:チャット
募集ページのデザイン、これで完成です
右:キャンバス
完成した募集ページのデザイン
Export
Export メニュー
PDF / PPTX / Standalone HTML / ZIP / Canva / Hand off to Claude Code

図:右上の Export(書き出し)を押すと、メニューの中に Hand off to Claude Code(クロードコードへ引き継ぐ)がある

これを選ぶと、Claude Design がデザインの「引き継ぎ書一式」を自動でまとめてくれます。この一式のことをバンドル(bundle = ひとまとめの束)と呼びます。中身は次の3つです。

Claude Code はこのバンドルを受け取り、続きから実装を始められます。デザインの決まりごと・部品の構造・意図が引き継がれているからです。

なぜこれがうれしいのか

これまで、デザイン案を Claude Code に伝えるには、画面写真を撮って「こういうページを作って。色はこれで、ボタンはここで…」と言葉で説明し直す必要がありました。Hand off to Claude Code(クロードコードへ引き継ぐ)を使えば、この説明し直しの手間がゼロになります。写真では伝わらない「設計の意図」まで一緒に渡るのが大きな違いです。

引き渡しの流れ

第6章(LP・Webページを作る)で作った教室の生徒募集ページを例に、実際の流れを見てみましょう。

  1. デザインを仕上げる
    Claude Design で募集ページのデザインを完成させます。文言や色の直しは、引き渡す前に済ませておくとスムーズです。
  2. Export(書き出し)を開く
    キャンバス右上の Export(書き出し)ボタンを押します。
  3. Hand off to Claude Code(クロードコードへ引き継ぐ)を選ぶ
    メニューの中から選びます。デザインの決まりごと・部品の構造・意図をまとめたバンドル(引き継ぎ書一式)が作られます。以降は画面の案内に従ってください。
  4. Claude Code 側で実装を頼む
    いつもの Claude Code を開き、引き継いだ内容をもとに「このデザインの通りに本物のページを作って」と日本語で頼みます。
  5. できあがりを確認する
    Claude Code が作ったページをブラウザで開き、デザインの通りになっているか見比べます。直したい所があれば、そのまま Claude Code に伝えます。
役割分担のイメージ

Claude Design は「見た目を素早く決める場所」、Claude Code は「決めた見た目を本物にする場所」です。見た目の試行錯誤はデザイン側で済ませ、固まってから引き渡すのがコツです。実装の途中で見た目を大きく変えたくなったら、デザイン側に戻ってやり直すほうが早いこともあります。

Code → Design:自分のサイトの決まりを取り込む

/design-sync とは

今度は逆方向です。すでに動いている自分のサイトやアプリがあるとき、その「色・文字・部品の決まり」を Claude Design に教え込めます。使うのは Claude Code 側の /design-sync(デザイン同期の合図)です。

  1. Claude Code を開く
    取り込みたいサイトのプログラム一式が入っているフォルダで、いつも通り Claude Code を起動します。バージョン 2.1.181 以上が必要です。
  2. /design-sync と入力する
    チャット欄に /design-sync と打って送信します。Claude Code が手元のプログラム一式を読み、色・文字・部品の決まりを抜き出して Claude Design に送ります。
  3. Claude Design 側で確認する
    取り込みが済むと、以後 Claude Design での生成物が「自分のサイトと同じ部品・同じ色」で作られるようになります。

取り込まれるのは、実際のプログラムに書かれている本物の決まりごとです。たとえば primary-blue(メインの青)のような色の名前や、spacing: 16px(余白は16ピクセル)のような余白のルールです。Claude Design はこれに従って新しいデザインを作るので、「デザイン案と実物で色が微妙に違う」というズレが起きにくくなります。

双方向だから「往復」できる

この連携は一方通行ではありません。実装済みのコードの状態を Claude Design のキャンバスに反映し直すこともできます。つまり次のような往復が可能です。

場面流れ
新しいページを増やしたい/design-sync で決まりを取り込む → Claude Design で自分のサイトと同じ見た目の新ページ案を作る → Hand off to Claude Code(クロードコードへ引き継ぐ)で実装
実装後の姿を確かめたいClaude Code で実装した状態を Claude Design のキャンバスに反映し直し、見た目を確認・調整する
注意:/design-sync は自動では見張らない

/design-sync は、実行したその時点の決まりごとを取り込むだけです。その後にコード側で色や部品を変えても、Claude Design には自動で伝わりません。色や部品を変えたら、もう一度 /design-sync を実行してください。「デザイン側の色が古いままだ」と感じたら、まず再実行を疑うのが近道です。

第7章の方法との違い

第7章(参考資料・ブランドを与える)では、GitHub リポジトリ(プログラム置き場)などからデザインシステムを取り込む方法を学びました。/design-sync は、それを手元の Claude Code から直接行える入り口です。ふだん Claude Code で触っているプログラムなら、こちらのほうが手軽です。

例題 1:募集ページを Claude Code に引き継ぐ

第6章で作った教室の生徒募集ページを、Hand off to Claude Code(クロードコードへ引き継ぐ)で Claude Code に渡し、引き継ぎ内容を確認するところまでやってみましょう。

  1. 募集ページのプロジェクトを開く
    Claude Design で第6章の募集ページを開き、デザインが完成状態であることを確認します。
  2. Export(書き出し)→ Hand off to Claude Code を選ぶ
    右上の Export(書き出し)から Hand off to Claude Code(クロードコードへ引き継ぐ)を選びます。バンドル(引き継ぎ書一式)が作られるので、画面の案内に従って引き渡しを完了させます。
  3. Claude Code で引き継ぎ内容を確認する
    引き渡し完了後の受け取り方は画面の案内に従ってください。引き継いだ内容が Claude Code の手元にある状態になったら、次のプロンプトを貼り付けます。
コピーして使うプロンプト
Claude Design から引き継いだ募集ページのデザイン一式を確認してください。
次の3点を、専門用語を使わずに日本語で教えてください。
①使われている色と文字の決まり
②ページを組み立てている部品の一覧
③このデザインの意図(何を目立たせようとしているか)
そのうえで、このデザインの通りに本物のWebページを作る場合の
進め方を、簡単な手順で提案してください。まだ作り始めないでください。

Claude Code が色・部品・意図を説明できたら、引き継ぎは成功です。デザイン側で決めた内容(第6章で指定した配色や構成)と食い違いがないか見比べてください。実装まで進めたくなったら「では、この手順で作って」と続けるだけです。

練習問題 1:バンドルの中身を言えますか

Hand off to Claude Code(クロードコードへ引き継ぐ)で作られるバンドル(引き継ぎ書一式)に含まれるものを、3つ挙げてください。

ヒントを見る

「見た目の決まり」「組み立ての情報」「考えていたこと」の3方向で思い出してみてください。画面写真だけでは伝わらないものは何だったでしょうか。

模範解答を見る

次の3つです。

  • ブランドの決まりごと(色・文字・余白のルール)
  • 部品の構造(ページを組み立てている部品の一覧と組み合わせ方)
  • デザインの意図(なぜこの配置・強調にしたかという設計の考え)

特に3つ目の「意図」は画面写真では絶対に伝わらないもので、バンドルならではの価値です。

練習問題 2:/design-sync のやり直しどき

/design-sync(デザイン同期の合図)をもう一度実行すべきなのは、どんな時でしょうか。理由も添えて答えてください。

ヒントを見る

/design-sync が取り込むのは「実行した時点」の決まりごとです。その後にコード側で何かが変わったら、Claude Design はそれを知っているでしょうか?

模範解答を見る

コード側で色や部品などの決まりごとを変えた後です。

理由:/design-sync はコードの変更を自動で見張ってくれません。実行した時点の内容を一度取り込むだけなので、その後の変更は Claude Design に伝わらないままです。変更のたびに再実行することで、デザイン側の生成物を最新の決まりに合わせられます。

理解度チェック

次の項目に自信をもって「はい」と言えたら、この章は合格です。

この章の出典