ultracode を、
いちばんやさしく。
Claude Code の /effort に新しく加わった最上位モード「ultracode(ウルトラコード)」を、
専門用語をできるだけ避けてていねいに解説します。ひとりで考える AI が、たくさんの分身を率いて
手分け・相互チェックしながら働く——その正体と使い方、コスト面の注意点までをまとめました。
- 基本はひとりで順番に作業
- 速さとのバランスを重視
- チーム作業は頼んだときだけ
- 利用料は抑えめ〜多め
- 分身チームで手分け+相互チェック
- 正確さ・網羅性を最優先
- 必要と判断するたび自動でチーム作業
- 時間と利用料はとても多い
ひとことで言うと?
ultracode は、Claude(私)が「ひとりで考える」のをやめて、「たくさんの分身を同時に動かして、 手分けして・互いにチェックしながら」仕事をするモードです。
- 持てる力をすべて出して、いちばん正確で抜けのない答えを出すことを最優先します。
- そのぶん、時間とお金(利用料)をたくさん使います。
- ふだん作業を頼むモードではなく、「徹底的にやってほしい大仕事」のときに選ぶ、いちばん右はしの特別なモードです。
画面上では max のさらに右、点線で区切られた場所にあります。これは「low〜max は
思考の深さの段階だけれど、ultracode はそれとは少し別物(思考の深さ + チーム作業)」という位置づけを表しています。
前提知識:そもそも /effort とは?
/effort(エフォート=「労力・がんばり度」の意味)は、Claude にどれくらい力を入れて
考えてもらうかを決めるダイヤルです。
/effort と入力すると、こんな横長のスライダー(つまみを左右に動かす目盛り)が出ます。
Faster(速い) ←─────────────────────────→ Smarter(賢い)
low medium high xhigh max ┊ ultracode
┊ (xhigh + workflows)
- 左に行くほど(low 側):速くて、使うお金が少ない。かわりに、ざっくりした答え。
- 右に行くほど(max 側):じっくり深く考える。かわりに、時間とお金がかかる。
それぞれの目盛りの意味は次のとおりです。
| 目盛り | 読み方 | ざっくりの意味 | 向いている作業 |
|---|---|---|---|
low | ロー | いちばん速い。最小限の労力。 | 変数名の変更、誤字直しなど、ごく簡単なこと |
medium | ミディアム | バランス型。ほどほど。 | ふだんの一般的な作業(標準設定) |
high | ハイ | しっかり深く考える。 | こみ入った問題、難しいコード |
xhigh | エックスハイ | さらに深く。長時間の作業向け。 | 30分以上かかる大きめの作業 |
max | マックス | 単独で考える深さの最大。 | いちばん難しい問題 |
ultracode | ウルトラコード | xhigh の考える力 + チーム作業 | 徹底的にやってほしい大仕事 |
ここで言う「労力」は、内部的には Claude が消費する トークン(AI が文章を読み書きするときの
最小単位。だいたい単語のかけら。利用料に直結します)の量に関係します。ただし /effort は
「トークンを何個まで使う」という上限ではなく、「どれくらいがんばるかの“さじ加減”を伝える合図」です。
難しい問題なら自動で深く考え、簡単な問題なら考えをスキップして速く答える、という賢い調整が入ります。
ultracode の正体:「xhigh + workflows」
画面で ultracode を選ぶと、その下に xhigh + workflows と表示されます。
これがすべてを物語っています。ultracode は、2 つの要素の足し算です。
要素①:xhigh = じっくり深く考える
これは前の章で説明した、考える力をかなり高めた状態です。ひとつひとつの判断をていねいに、深く検討します。
要素②:workflows = チームを組んで手分けする
ここが ultracode ならではの部分です。workflows(ワークフロー)は、Claude が 「分身の助手(サブエージェント)」を何体も生み出して、同時に手分けして作業させ、最後にとりまとめる仕組みです。
ふだんの Claude は、基本的に「ひとり」で順番に作業します。ultracode では、Claude が現場監督のように なり、たくさんの助手に仕事を割り振り、結果を集めて、必要なら「その結論は本当に正しい?」と別の助手にチェックさせます。
ultracode は、「深く考える Claude(xhigh)」が「チームを率いる監督(workflows)」になるモード、と覚えてください。
「ワークフロー」をたとえ話で理解する
ワークフローのイメージが、ultracode を理解するいちばんの近道です。料理にたとえてみます。
普通のモード = ひとりのシェフ
ひとりのシェフが、前菜 → メイン → デザートと、順番に作っていきます。ていねいですが、ひとりなので時間がかかります。
ultracode = 大きな厨房を率いる料理長
料理長(Claude)が、たくさんの料理人(分身の助手)に号令をかけます。
- 「君は前菜、君はメイン、君はデザート」と同時に手分けさせる(=並列処理)。
- 出てきた料理を料理長が味見して、「このソースは味が違う、作り直し」とチェックさせる(=検証)。
- 全部そろったら、料理長が一皿のコースにとりまとめてお客様に出す(=最終的な答え)。
このおかげで、ひとりでは手が回らない大量の作業を、速く・抜けなく・品質を保ってこなせます。
品質を高める「わざ」
ワークフローには、答えの質を上げるためのいくつかの工夫があります。代表的なものを、たとえで紹介します。
| 工夫の名前 | やっていること | たとえ |
|---|---|---|
| 敵対的検証 | わざと「その結論は間違いでは?」と別の助手に反論させ、反論に耐えた結論だけを採用する | 厳しい審査員に作品を批評させ、残ったものだけ採用 |
| 多角的な調べ方 | 同じことを「別々の切り口」で複数の助手に調べさせ、見落としを防ぐ | 同じ事件を、複数の記者が別ルートで取材 |
| やり残しチェック | 最後に「調べ忘れ・確認漏れはない?」と点検する助手を立てる | 出荷前の最終検品担当 |
| 出尽くすまで繰り返す | 「もう新しい発見がない」と何回か続くまで探し続ける | 砂金がもう出なくなるまで川をさらう |
ultracode では、こうした工夫を Claude が自動で組み合わせて、できるだけ正確で抜けのない答えを目指します。
普通のモードと ultracode の違い
いちばん大事な違いを整理します。
| 項目 | 普通のモード(low〜max) | ultracode |
|---|---|---|
| 作業のしかた | 基本ひとりで順番に | チームで手分け+相互チェック |
| ワークフローの起動 | 「workflow」と頼んだときなど限られた場面だけ | ほぼ毎回、自動で走る |
| 目指すもの | 速さとのバランス | 正確さ・網羅性を最優先 |
| 使うお金(利用料) | 抑えめ〜多め | とても多い(コストを制約とみなさない) |
| かかる時間 | 短め〜中くらい | 長くなりがち |
| 向いている場面 | ふだんの作業全般 | 徹底調査・大規模な変更・厳密なレビュー |
ふだん、私(Claude)がチーム作業(ワークフロー)を始めるのは、ユーザーが「workflow(ワークフロー)」という 言葉を使って頼んだときなど、限られた場面だけです。
ところが ultracode をオンにしている間は、その合図がいらなくなります。 私は「ちゃんとやる価値のある作業」だと判断するたびに、自分の判断でチーム作業を組んで進めます。
- 一言の雑談や、ごく簡単な機械的な手直しは、これまでどおりひとりで対応します。
- それ以外の本格的な作業は、原則チームを組んで、結論を別の助手に検証させながら進めます。
- 大きな仕事(調べる → 設計する → 作る → 見直す)は、段階ごとにチーム作業を分けて進め、各段階の区切りで私が結果を確認してから次に進みます。
ultracode を解除すると、この振る舞いは元(限られた場面だけチーム作業)に戻ります。
使い方(操作手順)
ultracode をオンにする手順は、たった 3 ステップです。
入力欄に /effort と打ち込みます。すると、Faster ←→ Smarter の横長スライダーが表示されます。
- キーボードの「→(右矢印)」キーを押して、つまみを右はしまで動かします。
- いちばん右の
ultracodeに合わせます(maxのさらに右、点線の向こう側です)。
←/→ で調整 ・ Enter で決定 ・ Esc で取り消し
- Enter キーを押すと確定します。
- やめたいときは Esc キーで取り消せます。
これで、いまのセッション(今の会話のまとまり)の間、ultracode が有効になります。
解除のしかた
もう一度 /effort を出して、xhigh や high など別の目盛りに戻して Enter すれば
解除できます。また、新しいセッションを始めると自動的にリセットされ、いつもの設定に戻ります。
ultracode は「今の会話の間だけ」の設定です。会話を閉じて開き直すと、もとに戻ります。「ずっと ultracode のまま」にはなりません。
どんなときに使う?/使わない方がいいとき
- 徹底的な調査:多方面から裏取りしながら深く調べてほしいとき
- 大規模な変更:たくさんのファイルにまたがる作り直しや、大きな移行作業
- 厳しいレビュー:バグや問題をあらゆる角度から洗い出してほしいとき
- とにかく一番いい答えがほしい、時間とお金は気にしないとき
- ちょっとした質問や雑談
- 誤字の修正、変数名の変更などの小さな手直し
- とにかく速く・安く済ませたいとき
- 内容がまだ固まっていない相談ごと(先に普通のモードで方針を決める方がよい)
小さな用事に ultracode を使うと、大げさなチームが動いて時間とお金を無駄づかいします。「大仕事のときだけ」が基本です。
気をつけること(コスト・時間・自動化)
ultracode は強力なぶん、知っておいてほしい注意点があります。
- 利用料(トークン)を大量に使います。 ultracode は「コストを制約とみなさない」設計です。たくさんの助手を動かすので、普通のモードの何倍もトークンを消費することがあります。
- 時間がかかります。 チーム作業のとりまとめや相互チェックを行うため、答えが返るまで時間が長くなりがちです。
- 私の判断で自動的にチーム作業が始まります。 ultracode 中は、ユーザーが「workflow」と言わなくても、私が「本格的な作業だ」と判断すれば自動でチーム作業を組みます。「思ったより大ごとになった」と感じたら、
/effortで目盛りを下げてください。 - チーム作業の最中は、途中で口を挟めません。 ひとつのチーム作業(ワークフロー)が走っている間は、こちらから途中で指示を変えられません。承認をはさみたい場合のために、私は大きな仕事を段階ごとに区切って進め、各区切りで結果をユーザーに確認します。
「これくらいまでで」という上限を伝えると(たとえば「+500k」のような形で利用量の目安を指定すると)、ultracode はその範囲に収まるように作業の深さを自動調整します。やりすぎが心配なときに使えます。
裏側の仕組み(興味があれば)
少し専門的な内容です。ワークフローが内部でどう動くかの概要なので、興味がなければ次の FAQ へ進んでください。
- ワークフローは、Claude がその場で書く小さなプログラム(台本)として動きます。この台本が「どの助手に何をさせ、どうまとめるか」を決めています。
- 助手たちは同時に最大16体まで動けます(パソコンの性能に応じて自動調整されます)。それ以上は順番待ちになります。
- ひとつのワークフローで生み出せる助手は、合計で最大1000体までという安全上限があります(暴走防止のための、現実にはまず届かない天井です)。
- 仕事の進め方には主に 2 種類あります。
- 流れ作業(pipeline):各案件を「調べる→検証する」と独立して流していく方式。待ち時間が少なく、ふだんはこちらが基本。
- 集合(parallel):全員の結果がそろうのを待ってから次に進む方式。「全部の結果を見てから判断したい」ときだけ使います。
- 中間の作業結果は台本の中の変数に保存され、Claude の会話メモリを圧迫しません。これにより、ひとつの会話では抱えきれない規模の作業ができます。
これらは「Claude がうまく仕事を分担するための裏方の仕組み」です。ユーザーが直接いじる必要はありません。
よくある質問(FAQ)
ultracode と max の違いは?
max は「ひとりの Claude が単独で考える深さの最大」です。ultracode は、それに加えて「チームを組んで手分け・相互チェックする」力が乗ります。だから画面でも、max と ultracode の間に点線の区切りがあります。
ふだんから ultracode にしておけばいいのでは?
おすすめしません。小さな用事にも大げさなチームが動き、時間とお金を無駄づかいします。大仕事のときだけにして、ふだんは medium や high が快適です。
ultracode にすると、勝手にいろいろ実行されてしまう?
チーム作業(調査や検討)は自動で始まりますが、外部への操作(メール送信や購入など)や、元に戻せない危険な操作は、これまでどおりユーザーの承認を得てから行います。ultracode でも、この安全ルールは変わりません。
どのモデルでも使える?
ultracode は比較的新しい高性能モデルで使える機能です。お使いの環境が対応する新しめのモデル(Claude Opus など)であれば利用できます。古いモデルでは表示されない、または使えないことがあります。
途中でやめたくなったら?
もう一度 /effort を出して目盛りを下げるか、新しい会話を始めればリセットされます。
「workflow」と頼むのと、ultracode をオンにするのは何が違う?
「workflow」と頼むのはその一回だけチーム作業を起こす指示です。ultracode はその会話の間ずっと、私が必要と判断するたびに自動でチーム作業を起こす、いわば「常時オン」の設定です。
早見表(チートシート)
困ったときの早見表です。要点だけをひと目で。
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| ultracode とは | xhigh(深い思考)+ workflows(チームで手分け作業) |
| 出し方 | /effort と入力 → → キーで右はしへ → Enter |
| 解除のしかた | /effort で別の目盛りに戻す、または新しい会話を始める |
| 効く範囲 | いまの会話(セッション)の間だけ |
| いちばんの長所 | 正確さ・網羅性が最高レベル |
| いちばんの短所 | 利用料が高く、時間がかかる |
| 使うべき場面 | 徹底調査・大規模変更・厳密なレビューなどの大仕事 |
| 避けるべき場面 | 雑談・小さな手直し・速さ重視のとき |
| 安全面 | 危険な操作・外部操作は従来どおり承認が必要 |
このガイドは、次の一次情報(直接確認できる確かな情報)をもとに作成しました。
- 実際の
/effortの画面表示(目盛りの並びと「xhigh + workflows」の表記) - ultracode をオンにしたときに私(Claude Code)の振る舞いがどう変わるかの内部仕様
- Claude Code の公式ドキュメント調査による補足情報
なお「利用できるモデルのバージョン」など、私がこの環境内で直接確認できなかった細部は、断定を避けて記述しています。実際の表示や挙動が本資料と違う場合は、画面の表示を優先してください。