まず覚える、
基本の5本。
Claude Code(クロード・コード/AIコーディング支援ツール)を使い始めたら、まずこの5つ。
画面の見方を確認する /help、会話をリセットする /clear、
長くなった対話を要約する /compact、プロジェクトの設計書を作る /init、
AI モデルを切り替える /model です。
この章で扱う5本について
どれもセッション開始から終わりまでに頻繁に登場する基礎中の基礎。順位は使用頻度と「最初に覚えるべき度」を総合した目安です。
各コマンドの解説は以下の順で書いています。
- 一言で言うと — そのコマンドの本質を1文で。
- こんな時に使います — 業務シーンを想定した小話。
- 実行画面のイメージ — ターミナルでどう見えるか。
- 使うとどうなる? — 内部で起きていることの分解。
- 使わなくてもよい場合 — 不要なシーンの見極め。
- 関連する他のコマンド — 隣り合うコマンド群。
- 補足 — 専門用語の言い換え。
- 藤川.com の一言 — 実際に使ったうえでの感想・コツ。
📖 /help — 使えるコマンド一覧を表示する案内係
使えるコマンド一覧を表示する「案内係」。
こんな時に使います
山田さんは、Claude Code を使い始めて3日目。「あれ、確かファイルを書き出せるコマンドがあったはず…でも名前が思い出せない」と困っています。とりあえず /help と打ってみると、使える全コマンドが一覧で表示されました。「あ、/export だった!」と思い出せました。
実行画面のイメージ
> /help
Available commands:
─────────────────────────────
/clear Start a fresh conversation
/compact Compress conversation history
/context Show context window usage
/export Export conversation to file
/goal Set a completion condition
/init Generate starter CLAUDE.md
/model Switch AI model
/review Code review
/usage Show usage statistics
... (続く)
使うとどうなる?
- ターミナルに
/helpと入力して Enter を押す - Claude Code で使える全コマンドが一覧表示される
- 各コマンドの簡単な説明も併記される
- もう一度 Enter を押すと一覧が閉じる
使わなくてもよい場合
- コマンド名を完璧に覚えている達人モードの時
- 急いでコードを書きたい時(まず作業を進めて、後で確認)
関連する他のコマンド
補足(専門用語の解説)
- コマンド
- AI に対する「命令」のこと。
/で始まる短い指示語。 - ターミナル
- 文字でパソコンに指示を出す画面のこと(黒い背景に白文字のあれ)。
迷ったら何度でも叩いていい無料の保険。立ち上げた最初の30秒で一度叩いておくと、その日の自分が何を選べるか分かって安心です。
🧹 /clear — 今の会話をリセットして始める
今の会話をリセットして、まっさらな状態から始める「消しゴム」。
こんな時に使います
鈴木さんは、午前中に「営業資料の文章を作って」と Claude に頼んでいました。午後になって今度は「経費精算の計算式を作りたい」と思いました。このまま続けると、午前中の営業の話を引きずってしまいます。/clear を打ってリセットし、新しいタスクに集中できる状態を作りました。
実行画面のイメージ
> /clear
✓ Conversation cleared. Starting fresh session.
─────────────────────────────
>
使うとどうなる?
- これまでの会話履歴が全て消える
- Claude の「記憶」がリセットされる
- 真っさらな状態で新しい会話を始められる
- CLAUDE.md(プロジェクト設計書)は維持されるので、プロジェクトの基本ルールは残る
使わなくてもよい場合
- 関連する作業を続けている時(消すと文脈が失われて損)
- 後で前の話に戻りたい可能性がある時(代わりに
/branchを検討)
関連する他のコマンド
補足(専門用語の解説)
- セッション
- 1 回の Claude Code との会話のかたまり。
- コンテキスト
- Claude が「覚えている」会話の中身。
経験豊富なユーザーいわく「/clear は新しいユーザーが最も使っていないコマンド。フレッシュな状態が文脈の引きずりに勝る。」(Learnia Blog 2026年4月)
「タスクを切り替えるたびに /clear」を 1 日 3〜5 回ぐらい使う習慣にすると、Claude の精度がぐっと安定します。前の話の残り香で迷う AI を見たら、それは消しゴムの出番です。
📦 /compact — 長くなった会話を要約して圧縮する
長くなった会話を「要約して圧縮する」整理整頓係。
こんな時に使います
佐藤さんは、午前 9 時から夕方 17 時まで 8 時間ぶっ通しで Claude Code とプログラムを書いていました。会話がどんどん長くなり、Claude の動きが遅くなってきました。「コンテキストが満杯です」と警告が出始めました。/compact を打つと、これまでの長い会話が要点だけにまとめられ、重要な情報は残ったまま、余計な部分が削ぎ落とされました。Claude は再びサクサク動くようになりました。
実行画面のイメージ
> /compact
⠋ Compacting conversation...
✓ Compacted: 156,000 tokens → 23,000 tokens (85% reduction)
✓ Key context preserved
>
使うとどうなる?
- これまでの会話の「要点」だけが残る
- 細かいやり取りや繰り返しは削除される
- Claude が扱える容量に余裕ができる
- 重要なポイント(プロジェクトの設計、決定事項など)は保持される
使わなくてもよい場合
- 会話がまだ短い時(
/contextで確認、80% を超えてから使うのが目安) - タスクを完全に切り替える時(
/clearの方が適切)
関連する他のコマンド
補足(専門用語の解説)
- トークン
- AI が文章を処理する単位。日本語 1 文字は約 1〜2 トークン。
- コンテキストウィンドウ
- Claude が一度に覚えていられる量(現在最大 100 万トークン)。
経験豊富なユーザーは 20〜30 分の作業ごとに使用。これを使わない長セッションは測定可能なほどコード品質が落ちる、と報告されています(Learnia Blog 2026年4月)。
/context でメーターを確認して 70〜80% に達したら /compact、という二段構えが最強です。閃いた瞬間に AI が固まる悲劇を未然に防げます。
📐 /init — プロジェクトの設計書(CLAUDE.md)を自動作成
プロジェクトの「設計書(CLAUDE.md)」を自動作成する初期設定係。
こんな時に使います
田中さんは、新しい Web サイトのプロジェクトを始めることになりました。Claude Code でこのプロジェクトに毎日関わっていく予定です。最初に /init を打つと、Claude がプロジェクト内のファイルを自動で読み込み、「このプロジェクトはどんなものか」「使っている技術は何か」「ルールは何か」をまとめた CLAUDE.md という設計書ファイルを作ってくれました。これ以降、Claude はこの設計書を毎回参照してくれるので、毎回同じ説明をしなくて済むようになりました。
実行画面のイメージ
> /init
⠋ Analyzing project structure...
⠙ Detecting tech stack: React, TypeScript, Vite
⠹ Reading package.json, README.md...
✓ Created CLAUDE.md
Generated CLAUDE.md (1,247 bytes):
─────────────────────────────
# Project: corporate-website
## Tech Stack: React + TypeScript + Vite
## Commands: npm run dev, npm test, npm run build
## Conventions: ...
─────────────────────────────
>
使うとどうなる?
- プロジェクトのフォルダ内のファイルが自動スキャンされる
- 使っている技術(言語、ライブラリ)が検出される
CLAUDE.mdという設計書ファイルが自動生成される- 以後、Claude はこのファイルを毎回読んでから返答するようになる
使わなくてもよい場合
- CLAUDE.md をすでに手書きで作っている時
- 単発の質問だけしたい時(プロジェクトとして使わない時)
関連する他のコマンド
補足(専門用語の解説)
- CLAUDE.md
- プロジェクトの「設計書」。Claude が毎回最初に読むメモ書き。
- プロジェクト
- 一つの目的のためのファイル群(例:「会社の Web サイト」)。
新しいフォルダを開いたら反射で /init。生成された下書きをちょっと整えるだけで、その日からの作業精度が段違いになります。育てるほど効くファイルです。
⚙️ /model — 使う AI モデルを切り替えるギアレバー
使う AI モデルを切り替える「ギアチェンジ」レバー。
こんな時に使います
高橋さんは、簡単なファイル名の変更作業をしていました。これに最高級モデル(Opus)を使うのはもったいない。/model haiku と打って軽量モデルに切り替え、コストを抑えながら作業を進めました。後で複雑な設計の相談をする時には /model opus に戻し、最高の頭脳に頼りました。
実行画面のイメージ
> /model
Select model:
─────────────────────────────
◉ Opus 4.7 (最高性能・高コスト)
○ Sonnet 4.6 (バランス型・標準)
○ Haiku 4.5 (高速・低コスト)
○ Opusplan (Opus で計画 → Sonnet で実装)
─────────────────────────────
↑↓ to select, Enter to confirm
> /model haiku
✓ Switched to Haiku 4.5
使うとどうなる?
- 3 つのモデル(Opus/Sonnet/Haiku)から選択肢が表示される
- 選んだモデルに即座に切り替わる
- それ以降の応答は新しいモデルで処理される
- 会話履歴は維持される(モデルだけが変わる)
使わなくてもよい場合
- 1 日中同じタイプの作業をする時(切り替え不要)
- どのモデルを使っているか気にしない初期段階
関連する他のコマンド
補足(専門用語の解説)
- Opus
- 最も賢いが最もコスト高。
- Sonnet
- バランスの良い標準モデル。
- Haiku
- 速くて安いがやや簡素。
Opus: お寿司屋さんで「特上」を頼む感じ/Sonnet: 「上」/Haiku: 「並」。簡単な作業に「特上」は不要。賢い使い分けがコスト削減のカギです。
モデル切替時、次の応答で会話全体を再読み込みするためトークン消費が増えます。頻繁な切替は逆効果。
「重い思考は Opus、軽い手直しは Haiku、メインは Sonnet」の三段構えで運用すると、月のコストが体感半分になります。切り替えは「セッションの区切り」に合わせるのがコツ。
この 5 本の使い分け
迷ったときに見るための一覧。
| コマンド | こんな時 | こうなる | 一言コツ |
|---|---|---|---|
/help |
コマンド名を忘れた | 全コマンドが一覧表示 | 立ち上げて最初の30秒で1回 |
/clear |
タスクを切り替える | 会話を完全リセット | 1日3〜5回が目安 |
/compact |
会話が長くなった | 要約して圧縮、文脈維持 | /context 70〜80% になったら |
/init |
新しいフォルダで作業開始 | CLAUDE.md を自動生成 | 反射で打つ習慣を |
/model |
作業の重さが変わる | AI モデルを切替(履歴維持) | セッション区切りで切替が安い |
朝イチで /help → 作業フォルダで /init → タスクごとに /clear → 長くなったら /compact → 重さに合わせて /model。この流れを 1 週間続けると、Claude Code が「自分の手」になります。