Claude を、
自分仕様に。
ここから先は「Claude Code の中身を操る」段階。
設計書を編集する /memory、ルールを決める /permissions、
外部ツールにつなぐ /mcp、自走させる /goal、
分身を動かす /agents の5本です。
この章で扱う5本について
基本と効率に慣れたら、Claude を「自分用」に育てる段階に入ります。長く運用するほど効いてくる5本です。
📝 /memory — CLAUDE.md を編集するメモ帳エディタ
プロジェクトの設計書(CLAUDE.md)を編集する「メモ帳エディタ」。
こんな時に使います
加藤さんは、/init で作った CLAUDE.md に、いくつかルールを追加したくなりました。「日本語でコメントを書くこと」「変数名はキャメルケースで」など、チーム独自の決まり事です。/memory を打つと、CLAUDE.md が編集モードで開き、ルールを書き足すことができました。次回から Claude は自動でこのルールを守って作業してくれるようになりました。
実行画面のイメージ
> /memory
Editing CLAUDE.md
─────────────────────────────
# Project: corporate-website
## Tech Stack: React + TypeScript
## Conventions:
- 日本語でコメントを書く ← 追加
- 変数名はキャメルケース ← 追加
- インデントはスペース 2 つ ← 追加
─────────────────────────────
Ctrl+S to save, Esc to cancel
使うとどうなる?
- CLAUDE.md がエディタで開く
- プロジェクトのルールを自由に編集できる
- 保存すると、次回から Claude はこのルールを参照する
- プロジェクトメンバー全員に共有される(Git にコミットすれば)
使わなくてもよい場合
- まだプロジェクトのルールが固まっていない時
- 単発作業で長期運用しない時
関連する他のコマンド
補足(専門用語の解説)
- CLAUDE.md
- プロジェクトの設計書ファイル。Claude が毎回最初に読む。
- キャメルケース
myVariableのような変数名の書き方。
プロジェクトの目的と概要/使っている技術スタック(React, Python 等)/コードを書く時のルール(言語、命名規則)/よく使うコマンド(npm test, python main.py 等)/触ってはいけないファイル。
「あ、こういうこと毎回言ってる」と気づいたら、その場で /memory。育てるほど Claude が空気を読む同僚になります。
🛡️ /permissions — 許可・確認・拒否を3段階で設定
「何を許可して、何を禁止するか」を細かく決める安全設定。
こんな時に使います
松本さんは、Claude に勝手にファイルを削除されないか心配でした。/permissions を開いて、「ファイル削除コマンド(rm)は必ず確認」「git push は禁止」「読み取りは自由」というルールを設定しました。これで安心して Claude に任せられるようになりました。藤川さんが他のプロジェクトで運用されている「許可・確認・拒否」の三段階ルールも、この機能で実現できます。
実行画面のイメージ
> /permissions
Permission Settings
─────────────────────────────
✅ Allow (自動許可)
Bash(ls *), Bash(git status), Read(*)
❓ Ask (毎回確認)
Bash(rm *), Edit(*.env)
🚫 Deny (常に拒否)
Bash(git push *), Bash(sudo *)
─────────────────────────────
Edit rules? [y/n]
使うとどうなる?
- 現在の許可ルールが一覧表示される
- 「許可/確認/拒否」の 3 段階でルールを設定できる
- 設定は
.claude/settings.jsonに保存される - プロジェクトメンバーと共有可能(Git で)
使わなくてもよい場合
- 個人の試行錯誤段階(最初はデフォルトで十分)
- 短時間の単発作業
関連する他のコマンド
補足(専門用語の解説)
- rm
- ファイル削除コマンド(取り扱い注意)。
- git push
- 変更をサーバーに送信するコマンド(本番影響あり)。
- sudo
- 管理者権限で実行するコマンド(危険度高)。
Allow: ls, cat, git status, git diff(読み取り系)/Ask: rm, mv, npm install(変更系)/Deny: git push, sudo, rm -rf(危険系)。
「最悪これをされたら困る」を Deny に入れておくのは、シートベルト。普段は気にせず走れるようになる前提として、最初に締めるべき安全装置です。
🔌 /mcp — GitHub・Slack 等の外部連携を管理
外部ツール(GitHub、Google Drive 等)との連携を管理する「コンセント差込口」。
こんな時に使います
吉田さんは、Claude Code から Slack にメッセージを送りたいと思いました。/mcp を実行すると、利用可能な外部サービスの一覧と接続状況が表示されました。Slack を選んで認証を済ませると、それ以降 Claude から直接 Slack に投稿できるようになりました。GitHub や Google ドライブも同じ仕組みで連携できます。
実行画面のイメージ
> /mcp
MCP Servers (External Tool Connections)
─────────────────────────────
✅ Connected
github (24 tools available)
google-drive (8 tools available)
slack (12 tools available)
⚠️ Needs Authentication
notion (Click to authenticate)
❌ Disconnected
asana (Connection failed)
─────────────────────────────
Actions: [r]econnect, [a]uthenticate, [d]elete
使うとどうなる?
- 接続中の外部サービス一覧が表示される
- 各サービスで使えるツール数が分かる
- 認証が必要なサービスはここで認証できる
- 接続失敗の原因も確認できる
使わなくてもよい場合
- 外部サービスとの連携が不要な時(Claude 単体で完結する時)
- 設定済みで問題なく動いている時
関連する他のコマンド
補足(専門用語の解説)
- MCP(Model Context Protocol)
- AI と外部ツールをつなぐ標準規格。
- 認証
- 「私はあなたのアカウントの利用許可があります」と証明する手続き。
Google Calendar / Gmail / Drive、Hugging Face / PayPal / Vercel、Zoom / Slack / Canva、Bitly / Adobe など。これらは /mcp から状態を確認・管理できます。
「あ、Claude から直接 Slack に送れたら便利かも」と思ったら、まず /mcp。Claude が外と話せるようになると、世界が一段広がります。
🎯 /goal — 完了条件を達成するまで自動で働き続ける
「完了条件」を設定すると、Claude が達成まで自動で働き続ける「自走モード」。
こんな時に使います
長谷川さんは、社内の古いコードを新しい書き方に書き換える大仕事を抱えていました。一つひとつ指示するのは大変です。/goal を使って「test/auth 配下の全テストが通り、lint チェックも通る状態にする」という完了条件を設定すると、Claude は自分でファイルを修正 → テスト実行 → 失敗を確認 → 再修正 → 再実行…を繰り返し、深夜の間に勝手に作業を完了してくれました。朝起きると、すべてのテストが通った状態でした。
実行画面のイメージ
> /goal test/auth 配下の全テストが通り lint が clean になること
✓ Goal set. Claude will work until this condition is met.
◎ /goal active (0:00:12 elapsed)
─────────────────────────────
Turn 1: Reading test/auth files...
Turn 2: Running npm test...
→ 3 failures found
Turn 3: Fixing auth.test.ts...
Turn 4: Re-running tests...
→ 1 failure remaining
...
─────────────────────────────
⏱ 0:14:32 elapsed | 🔄 12 turns | 🪙 47K tokens
使うとどうなる?
- 完了条件(最大 4,000 文字)を設定する
- Claude が達成までターンをまたいで作業継続
- 毎ターン後に小型の高速 AI が「条件達成したか」を判定
- 達成したら自動的にゴール終了
- 経過時間・ターン数・トークン消費がライブ表示される
使わなくてもよい場合
- 完了条件が曖昧な作業(明確な「終了」が定義できない時)
- 短時間で終わる作業
- 一度に大きなコストをかけたくない時
関連する他のコマンド
補足(専門用語の解説)
- 完了条件
- 「これが達成されたら終わり」というルール。
- ターン
- Claude の 1 回の応答サイクル。
良い例: 「すべてのテストが通り、lint チェックが clean になる」「package.json の依存関係がすべて最新版になる」「README に記載された全コマンドが実行可能になる」。悪い例: 「コードを綺麗にする」(綺麗の基準が曖昧)/「バグを直す」(どのバグか不明)。
自走機能のため、設定次第ではトークン消費が膨大になります。最初は「ターン数」「時間」の制限を併記することを推奨します。例: 「すべてのテストが通る、ただし 20 ターンで停止」。
寝ている間や打ち合わせ中に作業を進めてもらえる、唯一の「時間を伸ばす」コマンド。ただしコストの上限はかならず指定すること。タクシーメーター付きで自走させるイメージです。
🎭 /agents — 専門サブエージェント(分身)を管理
専門分野ごとの「サブエージェント(分身)」を管理する作業分担係。
こんな時に使います
斎藤さんは、Web サイト改修で「フロントエンド」「バックエンド」「データベース」の 3 つの作業を同時並行で進めたくなりました。/agents を使って、それぞれに特化したサブエージェント(分身)を起動。メインの Claude が司令塔となり、3 人の分身に並列で作業を振り分けました。一人でやるより数倍早く完了しました。
実行画面のイメージ
> /agents
Subagents
─────────────────────────────
📋 Library (利用可能なエージェント)
• code-reviewer コードレビュー専門
• test-writer テスト作成専門
• doc-generator ドキュメント作成専門
• db-migrator DB 移行専門
🏃 Running (現在実行中: 2)
● frontend-dev Working on login.tsx
(3:24 elapsed)
● backend-dev Running tests
(1:12 elapsed)
─────────────────────────────
[r]un, [v]iew, [s]top
使うとどうなる?
- 利用可能なサブエージェント一覧が表示される
- 現在動いているサブエージェントの状況が見える
- 新しいサブエージェントを起動できる
- 動いているサブエージェントを停止できる
使わなくてもよい場合
- 単純な作業(一人で完結する時)
- 初心者の最初の数週間(まずはメイン Claude に慣れる)
関連する他のコマンド
補足(専門用語の解説)
- サブエージェント
- メインの Claude から派生した「分身」AI。
- 並列処理
- 複数の作業を同時に進めること。
コードレビュアー: バグ・セキュリティを集中チェック/テスト作成者: テストコードの自動生成/ドキュメント作成者: コードから説明書を作成/DB 移行担当: データベースの構造変更。
分身を一気に増やしたくなる機能ですが、最初は 1〜2 体から。司令塔としての Claude の負荷も考慮するのがコツです。
この 5 本の使い分け
仕組みを操る5本を、迷ったときに見るための一覧。
| コマンド | こんな時 | こうなる | 一言コツ |
|---|---|---|---|
/memory |
同じことを毎回言っている | CLAUDE.md に追記 | 気づいたら即追加 |
/permissions |
危険な操作を防ぎたい | 許可・確認・拒否の3段階 | Deny を最初に決める |
/mcp |
外部サービスとつなぎたい | 接続中のサービスと状態 | 認証切れに注意 |
/goal |
明確な達成条件がある | 自動で繰り返し作業 | ターン数・時間上限を必ず |
/agents |
並行処理したい | 分身を起動・停止 | まずは1〜2体から |
/memory で Claude を育て、/permissions で安全を作り、/mcp で外と繋ぎ、/goal と /agents でスケールさせる。Claude を「自分の働き方」に合わせる5本です。