第3章 / 11-15位

Claude を、
自分仕様に。

ここから先は「Claude Code の中身を操る」段階。 設計書を編集する /memory、ルールを決める /permissions、 外部ツールにつなぐ /mcp、自走させる /goal、 分身を動かす /agents の5本です。

00 / Chapter Intro

この章で扱う5本について

基本と効率に慣れたら、Claude を「自分用」に育てる段階に入ります。長く運用するほど効いてくる5本です。

11 第11位 / メモ帳エディタ

📝 /memory — CLAUDE.md を編集するメモ帳エディタ

プロジェクトの設計書(CLAUDE.md)を編集する「メモ帳エディタ」。

こんな時に使います

加藤さんは、/init で作った CLAUDE.md に、いくつかルールを追加したくなりました。「日本語でコメントを書くこと」「変数名はキャメルケースで」など、チーム独自の決まり事です。/memory を打つと、CLAUDE.md が編集モードで開き、ルールを書き足すことができました。次回から Claude は自動でこのルールを守って作業してくれるようになりました。

実行画面のイメージ

> /memory

  Editing CLAUDE.md
  ─────────────────────────────
  # Project: corporate-website
  ## Tech Stack: React + TypeScript
  ## Conventions:
  - 日本語でコメントを書く          ← 追加
  - 変数名はキャメルケース           ← 追加
  - インデントはスペース 2 つ        ← 追加
  ─────────────────────────────
  Ctrl+S to save, Esc to cancel

使うとどうなる?

  1. CLAUDE.md がエディタで開く
  2. プロジェクトのルールを自由に編集できる
  3. 保存すると、次回から Claude はこのルールを参照する
  4. プロジェクトメンバー全員に共有される(Git にコミットすれば)

使わなくてもよい場合

  • まだプロジェクトのルールが固まっていない時
  • 単発作業で長期運用しない時

関連する他のコマンド

補足(専門用語の解説)

CLAUDE.md
プロジェクトの設計書ファイル。Claude が毎回最初に読む。
キャメルケース
myVariable のような変数名の書き方。
✏️
よく書き加える内容の例

プロジェクトの目的と概要/使っている技術スタック(React, Python 等)/コードを書く時のルール(言語、命名規則)/よく使うコマンド(npm test, python main.py 等)/触ってはいけないファイル。

藤川.com の一言

「あ、こういうこと毎回言ってる」と気づいたら、その場で /memory。育てるほど Claude が空気を読む同僚になります。

12 第12位 / 安全設定

🛡️ /permissions — 許可・確認・拒否を3段階で設定

「何を許可して、何を禁止するか」を細かく決める安全設定。

こんな時に使います

松本さんは、Claude に勝手にファイルを削除されないか心配でした。/permissions を開いて、「ファイル削除コマンド(rm)は必ず確認」「git push は禁止」「読み取りは自由」というルールを設定しました。これで安心して Claude に任せられるようになりました。藤川さんが他のプロジェクトで運用されている「許可・確認・拒否」の三段階ルールも、この機能で実現できます。

実行画面のイメージ

> /permissions

  Permission Settings
  ─────────────────────────────
  ✅ Allow (自動許可)
    Bash(ls *), Bash(git status), Read(*)

  ❓ Ask  (毎回確認)
    Bash(rm *), Edit(*.env)

  🚫 Deny (常に拒否)
    Bash(git push *), Bash(sudo *)
  ─────────────────────────────
  Edit rules? [y/n]

使うとどうなる?

  1. 現在の許可ルールが一覧表示される
  2. 「許可/確認/拒否」の 3 段階でルールを設定できる
  3. 設定は .claude/settings.json に保存される
  4. プロジェクトメンバーと共有可能(Git で)

使わなくてもよい場合

  • 個人の試行錯誤段階(最初はデフォルトで十分)
  • 短時間の単発作業

関連する他のコマンド

補足(専門用語の解説)

rm
ファイル削除コマンド(取り扱い注意)。
git push
変更をサーバーに送信するコマンド(本番影響あり)。
sudo
管理者権限で実行するコマンド(危険度高)。
🛡️
推奨設定の例(初心者向け)

Allow: ls, cat, git status, git diff(読み取り系)/Ask: rm, mv, npm install(変更系)/Deny: git push, sudo, rm -rf(危険系)。

藤川.com の一言

「最悪これをされたら困る」を Deny に入れておくのは、シートベルト。普段は気にせず走れるようになる前提として、最初に締めるべき安全装置です。

13 第13位 / 外部ツール連携

🔌 /mcp — GitHub・Slack 等の外部連携を管理

外部ツール(GitHub、Google Drive 等)との連携を管理する「コンセント差込口」。

こんな時に使います

吉田さんは、Claude Code から Slack にメッセージを送りたいと思いました。/mcp を実行すると、利用可能な外部サービスの一覧と接続状況が表示されました。Slack を選んで認証を済ませると、それ以降 Claude から直接 Slack に投稿できるようになりました。GitHub や Google ドライブも同じ仕組みで連携できます。

実行画面のイメージ

> /mcp

  MCP Servers (External Tool Connections)
  ─────────────────────────────
  ✅ Connected
    github          (24 tools available)
    google-drive    (8 tools available)
    slack           (12 tools available)

  ⚠️  Needs Authentication
    notion          (Click to authenticate)

  ❌ Disconnected
    asana           (Connection failed)
  ─────────────────────────────
  Actions: [r]econnect, [a]uthenticate, [d]elete

使うとどうなる?

  1. 接続中の外部サービス一覧が表示される
  2. 各サービスで使えるツール数が分かる
  3. 認証が必要なサービスはここで認証できる
  4. 接続失敗の原因も確認できる

使わなくてもよい場合

  • 外部サービスとの連携が不要な時(Claude 単体で完結する時)
  • 設定済みで問題なく動いている時

関連する他のコマンド

補足(専門用語の解説)

MCP(Model Context Protocol)
AI と外部ツールをつなぐ標準規格。
認証
「私はあなたのアカウントの利用許可があります」と証明する手続き。
🔌
藤川さんの環境での接続例

Google Calendar / Gmail / Drive、Hugging Face / PayPal / Vercel、Zoom / Slack / Canva、Bitly / Adobe など。これらは /mcp から状態を確認・管理できます。

藤川.com の一言

「あ、Claude から直接 Slack に送れたら便利かも」と思ったら、まず /mcp。Claude が外と話せるようになると、世界が一段広がります。

14 第14位 / 自走モード

🎯 /goal — 完了条件を達成するまで自動で働き続ける

「完了条件」を設定すると、Claude が達成まで自動で働き続ける「自走モード」。

こんな時に使います

長谷川さんは、社内の古いコードを新しい書き方に書き換える大仕事を抱えていました。一つひとつ指示するのは大変です。/goal を使って「test/auth 配下の全テストが通り、lint チェックも通る状態にする」という完了条件を設定すると、Claude は自分でファイルを修正 → テスト実行 → 失敗を確認 → 再修正 → 再実行…を繰り返し、深夜の間に勝手に作業を完了してくれました。朝起きると、すべてのテストが通った状態でした。

実行画面のイメージ

> /goal test/auth 配下の全テストが通り lint が clean になること

  ✓ Goal set. Claude will work until this condition is met.

  ◎ /goal active (0:00:12 elapsed)
  ─────────────────────────────
  Turn 1: Reading test/auth files...
  Turn 2: Running npm test...
       → 3 failures found
  Turn 3: Fixing auth.test.ts...
  Turn 4: Re-running tests...
       → 1 failure remaining
  ...
  ─────────────────────────────
  ⏱  0:14:32 elapsed | 🔄 12 turns | 🪙 47K tokens

使うとどうなる?

  1. 完了条件(最大 4,000 文字)を設定する
  2. Claude が達成までターンをまたいで作業継続
  3. 毎ターン後に小型の高速 AI が「条件達成したか」を判定
  4. 達成したら自動的にゴール終了
  5. 経過時間・ターン数・トークン消費がライブ表示される

使わなくてもよい場合

  • 完了条件が曖昧な作業(明確な「終了」が定義できない時)
  • 短時間で終わる作業
  • 一度に大きなコストをかけたくない時

関連する他のコマンド

/loop 時間間隔で繰り返したい時(条件達成ではなく時間で終了) /plan 計画は立てるが自走はさせない時 /agents 並行処理させたい時

補足(専門用語の解説)

完了条件
「これが達成されたら終わり」というルール。
ターン
Claude の 1 回の応答サイクル。
良い完了条件の書き方

良い例: 「すべてのテストが通り、lint チェックが clean になる」「package.json の依存関係がすべて最新版になる」「README に記載された全コマンドが実行可能になる」。悪い例: 「コードを綺麗にする」(綺麗の基準が曖昧)/「バグを直す」(どのバグか不明)。

⚠️
コスト注意

自走機能のため、設定次第ではトークン消費が膨大になります。最初は「ターン数」「時間」の制限を併記することを推奨します。例: 「すべてのテストが通る、ただし 20 ターンで停止」。

藤川.com の一言

寝ている間や打ち合わせ中に作業を進めてもらえる、唯一の「時間を伸ばす」コマンド。ただしコストの上限はかならず指定すること。タクシーメーター付きで自走させるイメージです。

15 第15位 / 分身管理

🎭 /agents — 専門サブエージェント(分身)を管理

専門分野ごとの「サブエージェント(分身)」を管理する作業分担係。

こんな時に使います

斎藤さんは、Web サイト改修で「フロントエンド」「バックエンド」「データベース」の 3 つの作業を同時並行で進めたくなりました。/agents を使って、それぞれに特化したサブエージェント(分身)を起動。メインの Claude が司令塔となり、3 人の分身に並列で作業を振り分けました。一人でやるより数倍早く完了しました。

実行画面のイメージ

> /agents

  Subagents
  ─────────────────────────────
  📋 Library (利用可能なエージェント)
    • code-reviewer    コードレビュー専門
    • test-writer      テスト作成専門
    • doc-generator    ドキュメント作成専門
    • db-migrator      DB 移行専門

  🏃 Running (現在実行中: 2)
    ● frontend-dev    Working on login.tsx
                      (3:24 elapsed)
    ● backend-dev     Running tests
                      (1:12 elapsed)
  ─────────────────────────────
  [r]un, [v]iew, [s]top

使うとどうなる?

  1. 利用可能なサブエージェント一覧が表示される
  2. 現在動いているサブエージェントの状況が見える
  3. 新しいサブエージェントを起動できる
  4. 動いているサブエージェントを停止できる

使わなくてもよい場合

  • 単純な作業(一人で完結する時)
  • 初心者の最初の数週間(まずはメイン Claude に慣れる)

関連する他のコマンド

補足(専門用語の解説)

サブエージェント
メインの Claude から派生した「分身」AI。
並列処理
複数の作業を同時に進めること。
🎭
サブエージェントの種類例

コードレビュアー: バグ・セキュリティを集中チェック/テスト作成者: テストコードの自動生成/ドキュメント作成者: コードから説明書を作成/DB 移行担当: データベースの構造変更。

藤川.com の一言

分身を一気に増やしたくなる機能ですが、最初は 1〜2 体から。司令塔としての Claude の負荷も考慮するのがコツです。

16 / Chapter Cheat Sheet

この 5 本の使い分け

仕組みを操る5本を、迷ったときに見るための一覧。

コマンド こんな時 こうなる 一言コツ
/memory 同じことを毎回言っている CLAUDE.md に追記 気づいたら即追加
/permissions 危険な操作を防ぎたい 許可・確認・拒否の3段階 Deny を最初に決める
/mcp 外部サービスとつなぎたい 接続中のサービスと状態 認証切れに注意
/goal 明確な達成条件がある 自動で繰り返し作業 ターン数・時間上限を必ず
/agents 並行処理したい 分身を起動・停止 まずは1〜2体から
5本まとめての使い方

/memory で Claude を育て、/permissions で安全を作り、/mcp で外と繋ぎ、/goal/agents でスケールさせる。Claude を「自分の働き方」に合わせる5本です。