効くのに地味な、
こなれ技 5本。
トラブル時の /doctor、思考量を変える /effort、
変更を巻き戻す /rewind、会話を書き出す /export、
全体を整える /config。地味だけど効く。
この章で扱う5本について
使いこなしている人ほど自然に登場する5本。覚えると「Claude Code が言うことを聞かない」場面が激減します。
🩺 /doctor — Claude Code 全体の健康診断
「何かおかしい」時に原因を診断する「お医者さん」。
こんな時に使います
井上さんは、Claude Code で MCP ツール(GitHub 連携)がうまく動かない事態に遭遇しました。「設定を間違えたかな?」と不安になりましたが、まず /doctor を実行。すると「GitHub MCP の認証トークンが期限切れ」「Node.js のバージョンが古い」という 2 つの問題が即座に指摘されました。原因が分かれば対処は簡単。30 秒で復旧できました。
実行画面のイメージ
> /doctor
Claude Code Health Check
─────────────────────────────
✅ Claude Code v2.1.139 (latest)
✅ Node.js v20.11.0
✅ Authentication: Logged in
✅ CLAUDE.md found and valid
⚠️ Issues Found (2)
─────────────────────────────
⚠️ MCP Server: github
Token expired. Re-authenticate via /mcp
⚠️ Permission Rule: Bash(rm:*)
Unreachable - shadowed by deny rule
Fix: Move above line 14 in settings.json
─────────────────────────────
Press 'f' to have Claude fix these issues
使うとどうなる?
- Claude Code 全体の健康診断が始まる
- 各種設定・接続・認証の状態がチェックされる
- 問題があれば具体的な内容と対処法が表示される
- 'f' キーで自動修正を依頼できる(2026 年 4 月以降)
使わなくてもよい場合
- すべて正常に動いている時(予防的な実行は不要)
- 既に原因がはっきり分かっている時
関連する他のコマンド
補足(専門用語の解説)
- 認証トークン
- 「私はこのサービスの利用許可がある」を証明する電子的な札。
- shadowed by
- 上位ルールに隠されている状態。
① まず /doctor で診断 → ② 指摘事項を確認 → ③ 自動修正(f)を試す → ④ 解決しなければ /bug で報告。
「あれ?」と思ったら、人に聞く前に /doctor。9 割の不具合は自己診断で原因が分かります。
🧠 /effort — AI の思考の深さを調整
AI の「思考の深さ」を調整する集中力ダイヤル。
こんな時に使います
森田さんは、簡単なファイル整理作業を頼みたいだけなのに、Claude の Opus 4.7 が長々と考え込み、コストもかさんでいることに気づきました。/effort low に切り替えると、Claude はサッと答えを返してくれるようになり、コストも下がりました。逆に複雑なアーキテクチャ設計の相談時には /effort xhigh に上げて、じっくり考えてもらいました。
実行画面のイメージ
> /effort
Select Effort Level (思考の深さ)
─────────────────────────────
○ low 即答型・低コスト
○ medium バランス型・標準
◉ high 深く考える・高コスト ← 現在
○ xhigh 超深く考える・最高コスト (Opus 4.7 のみ)
○ max 全力投球(コスト最大)
─────────────────────────────
←→ to select, Enter to confirm
使うとどうなる?
- 5 段階の思考深度から選択できる
- 選んだレベルで以降の応答が処理される
- 引数なしで実行するとインタラクティブなスライダーが出る(v2.1.111 以降)
- レベルが高いほど時間とコストがかかるが、品質が上がる
使わなくてもよい場合
- デフォルト(high)で問題ない時
- ずっと同じタイプの作業を続けている時
関連する他のコマンド
補足(専門用語の解説)
- Effort(エフォート)
- AI が回答に費やす「努力量」。
- xhigh
- Opus 4.7 専用の「超ハイ」レベル(高と max の間)。
low: 単純なファイル名変更/medium: 一般的なコーディング/high: バグ修正・設計レビュー(デフォルト)/xhigh: 複雑なアーキテクチャ設計/max: 最重要の判断、徹底的な調査。
2026 年 4 月 7 日の v2.1.94 で、API・Bedrock・Vertex・Foundry・Team・Enterprise ユーザーのデフォルトが「medium」から「high」に変更されました。
/model がエンジン換装なら、/effort はアクセル開度。同じエンジンでも踏み方で燃費が変わります。日中は high、深夜の自走は medium、雑用は low、が体感ベストです。
⏮ /rewind(旧 /undo) — 会話とファイルを巻き戻す
時間を巻き戻して、会話とファイル変更を以前の状態に戻す「タイムリワインド」。
こんな時に使います
岡田さんは、Claude に「リファクタリングして」と頼んだら、想定外の大規模な変更が入ってしまいました。ファイルが 10 個も書き換わっていて、手で戻すのは不可能。/rewind を実行して、変更前の状態に巻き戻しました。会話履歴も一緒に戻ったので、最初からやり直せました。
実行画面のイメージ
> /rewind
Rewind to a previous checkpoint
─────────────────────────────
◉ 14:32 Before refactoring (auth.ts, login.tsx, ...)
○ 14:15 Before adding tests
○ 13:48 Before /goal command
○ 13:02 Initial state
─────────────────────────────
This will revert both conversation AND file changes.
↑↓ to select, Enter to rewind
使うとどうなる?
- これまでのチェックポイント一覧が表示される
- 戻したい時点を選択する
- ファイルの変更も会話履歴も同時に巻き戻る
- 選んだ時点から再開できる
使わなくてもよい場合
- 変更で問題が起きていない時
- 手動で部分的に直したい時(Git の方が適切)
関連する他のコマンド
補足(専門用語の解説)
- チェックポイント
- Claude が自動で作る「セーブポイント」。
- リファクタリング
- 動作を変えずに内部構造を整理すること。
Claude が暴走して大量にファイルを書き換えた/試した変更がうまくいかなかった/やり直しの方が早いと判断した。
2026 年 4 月 14 日の v2.1.108 で、/undo が /rewind のエイリアスとして追加されました。どちらでも同じ機能が呼び出せます。
「あ、これ違うわ」と感じた瞬間に /rewind。粘って手で直すより、戻して指示を出し直す方が早いことの方が多いです。心理的セーフティネット。
📤 /export — 会話を Markdown ファイルへ書き出し
会話の中身をファイルに書き出して「お持ち帰り」できる保存機能。
こんな時に使います
石川さんは、Claude と一緒に作った企画書の議論内容を、後で同僚に共有したくなりました。/export proposal-discussion.md と打つと、これまでの会話全体が Markdown ファイルとして保存されました。Slack やメールで共有することも、Notion に貼り付けることもできます。
実行画面のイメージ
> /export
Export options:
─────────────────────────────
◉ Save to file
○ Copy to clipboard
─────────────────────────────
Filename: conversation-2026-05-14.md
✓ Exported 47 messages
✓ Saved to: ./conversation-2026-05-14.md
✓ Format: Markdown
Size: 32 KB
使うとどうなる?
- 現在のセッションの会話全体がエクスポートされる
- ファイル保存またはクリップボードコピーが選べる
- デフォルトは Markdown 形式(他のツールで開きやすい)
- ファイル名は指定可能(
/export myfile.md)
使わなくてもよい場合
- セッションをそのまま保管したいだけの時(Claude Code が自動保存)
- 共有予定がない時
関連する他のコマンド
補足(専門用語の解説)
- Markdown(マークダウン)
- 文字飾りができる軽量な書式。
# 見出しのような書き方。 - クリップボード
- コピー&ペースト用の一時保存領域。
議事録として保管/同僚に共有(Slack、メール)/ナレッジベース(Notion、Confluence)に蓄積/ブログ記事の元ネタ/学習履歴の振り返り。
/export decision-log.md(ファイル名指定)、/export --clipboard(クリップボードへ)。
「これいい話できたな」と思ったセッションは即 /export。あとで Obsidian や Notion に貼っておくと、再利用できる資産になります。
⚙️ /config — Claude Code 全体の動きを変える
Claude Code 全体の動きを変える「設定画面」。
こんな時に使います
村上さんは、Claude Code のデフォルトテーマが暗くて目が疲れることに気づきました。/config を開いて、テーマを「ライト(明るい背景)」に変更。エディタモードを「vim(自分が慣れた操作体系)」に切り替え、フォントサイズも調整しました。これで一日中快適に使えるようになりました。
実行画面のイメージ
> /config
Configuration
─────────────────────────────
General
Theme: Dark ▼
Editor mode: emacs ▼
Language: 日本語 ▼
Verbose mode: Off
Permissions
Default mode: ask
Auto-update: Enabled
Advanced
Release channel: stable ▼
Telemetry: Enabled
─────────────────────────────
↑↓ navigate, Enter to edit, Esc to save
使うとどうなる?
- 設定項目が一覧表示される
- テーマ・言語・エディタモードなどを変更可能
- 設定は
~/.claude/settings.jsonに自動保存される - 変更は即座に反映される
使わなくてもよい場合
- デフォルトで快適な時
- 一つの設定を変えたいだけの時(個別コマンドの方が早い)
関連する他のコマンド
補足(専門用語の解説)
- vim / emacs
- 老舗のテキストエディタの操作体系。それぞれ熱心なファンがいる。
- Telemetry
- 利用統計の送信(プライバシー設定)。
2026 年 4 月 23 日の v2.1.119 で、/config の設定が ~/.claude/settings.json に永続化されるようになり、プロジェクト/ローカル/ポリシーの上書き優先順位にも参加するようになりました。
① Theme: 目の疲れ対策に明暗を切替/② Editor mode: vim 派 / emacs 派 / 通常/③ Language: 日本語 UI / 英語 UI/④ Verbose mode: 詳細表示のオンオフ/⑤ Auto-update: 自動更新の有無。
セットアップ初日に 5 分かけて触っておくと、毎日の快適度がじわじわ効いてきます。テーマ、言語、エディタモードだけは自分仕様に。
この 5 本の使い分け
こなれた使い方の5本、迷ったときの一覧。
| コマンド | こんな時 | こうなる | 一言コツ |
|---|---|---|---|
/doctor |
何かおかしい | 原因と対処法を表示 | 困ったら最初に1回 |
/effort |
コスト or 品質を調整 | 思考深度を 5 段階で切替 | 作業の重さに合わせる |
/rewind |
変更を取り消したい | 会話とファイルを巻き戻し | 違和感を感じた瞬間に |
/export |
会話を共有したい | Markdown ファイルに保存 | 良いセッションは即書き出し |
/config |
挙動を一括調整したい | 全体設定の一覧画面 | 初日に 5 分かけて整える |
違和感は /doctor、コストと品質は /effort、やり直しは /rewind、価値ある会話は /export、土台は /config。Claude Code を「動かす」段階から「整える」段階に移るための5本です。