第4章 / 16-20位

効くのに地味な、
こなれ技 5本。

トラブル時の /doctor、思考量を変える /effort、 変更を巻き戻す /rewind、会話を書き出す /export、 全体を整える /config。地味だけど効く。

00 / Chapter Intro

この章で扱う5本について

使いこなしている人ほど自然に登場する5本。覚えると「Claude Code が言うことを聞かない」場面が激減します。

16 第16位 / 健康診断

🩺 /doctor — Claude Code 全体の健康診断

「何かおかしい」時に原因を診断する「お医者さん」。

こんな時に使います

井上さんは、Claude Code で MCP ツール(GitHub 連携)がうまく動かない事態に遭遇しました。「設定を間違えたかな?」と不安になりましたが、まず /doctor を実行。すると「GitHub MCP の認証トークンが期限切れ」「Node.js のバージョンが古い」という 2 つの問題が即座に指摘されました。原因が分かれば対処は簡単。30 秒で復旧できました。

実行画面のイメージ

> /doctor

  Claude Code Health Check
  ─────────────────────────────
  ✅ Claude Code v2.1.139 (latest)
  ✅ Node.js v20.11.0
  ✅ Authentication: Logged in
  ✅ CLAUDE.md found and valid

  ⚠️  Issues Found (2)
  ─────────────────────────────
  ⚠️ MCP Server: github
     Token expired. Re-authenticate via /mcp

  ⚠️ Permission Rule: Bash(rm:*)
     Unreachable - shadowed by deny rule
     Fix: Move above line 14 in settings.json
  ─────────────────────────────
  Press 'f' to have Claude fix these issues

使うとどうなる?

  1. Claude Code 全体の健康診断が始まる
  2. 各種設定・接続・認証の状態がチェックされる
  3. 問題があれば具体的な内容と対処法が表示される
  4. 'f' キーで自動修正を依頼できる(2026 年 4 月以降)

使わなくてもよい場合

  • すべて正常に動いている時(予防的な実行は不要)
  • 既に原因がはっきり分かっている時

関連する他のコマンド

/status より広いシステム情報を見たい時 /release-notes バージョンによる挙動変化の確認 /bug 解決できないバグを開発元に報告

補足(専門用語の解説)

認証トークン
「私はこのサービスの利用許可がある」を証明する電子的な札。
shadowed by
上位ルールに隠されている状態。
🔧
何かおかしいときの順序

① まず /doctor で診断 → ② 指摘事項を確認 → ③ 自動修正(f)を試す → ④ 解決しなければ /bug で報告。

藤川.com の一言

「あれ?」と思ったら、人に聞く前に /doctor。9 割の不具合は自己診断で原因が分かります。

17 第17位 / 思考ダイヤル

🧠 /effort — AI の思考の深さを調整

AI の「思考の深さ」を調整する集中力ダイヤル。

こんな時に使います

森田さんは、簡単なファイル整理作業を頼みたいだけなのに、Claude の Opus 4.7 が長々と考え込み、コストもかさんでいることに気づきました。/effort low に切り替えると、Claude はサッと答えを返してくれるようになり、コストも下がりました。逆に複雑なアーキテクチャ設計の相談時には /effort xhigh に上げて、じっくり考えてもらいました。

実行画面のイメージ

> /effort

  Select Effort Level (思考の深さ)
  ─────────────────────────────
  ○ low     即答型・低コスト
  ○ medium  バランス型・標準
  ◉ high    深く考える・高コスト  ← 現在
  ○ xhigh   超深く考える・最高コスト (Opus 4.7 のみ)
  ○ max     全力投球(コスト最大)
  ─────────────────────────────
  ←→ to select, Enter to confirm

使うとどうなる?

  1. 5 段階の思考深度から選択できる
  2. 選んだレベルで以降の応答が処理される
  3. 引数なしで実行するとインタラクティブなスライダーが出る(v2.1.111 以降)
  4. レベルが高いほど時間とコストがかかるが、品質が上がる

使わなくてもよい場合

  • デフォルト(high)で問題ない時
  • ずっと同じタイプの作業を続けている時

関連する他のコマンド

補足(専門用語の解説)

Effort(エフォート)
AI が回答に費やす「努力量」。
xhigh
Opus 4.7 専用の「超ハイ」レベル(高と max の間)。
🧠
使い分けの目安

low: 単純なファイル名変更/medium: 一般的なコーディング/high: バグ修正・設計レビュー(デフォルト)/xhigh: 複雑なアーキテクチャ設計/max: 最重要の判断、徹底的な調査。

🔄
重要な変更履歴

2026 年 4 月 7 日の v2.1.94 で、API・Bedrock・Vertex・Foundry・Team・Enterprise ユーザーのデフォルトが「medium」から「high」に変更されました。

藤川.com の一言

/model がエンジン換装なら、/effort はアクセル開度。同じエンジンでも踏み方で燃費が変わります。日中は high、深夜の自走は medium、雑用は low、が体感ベストです。

18 第18位 / 巻き戻し

/rewind(旧 /undo) — 会話とファイルを巻き戻す

時間を巻き戻して、会話とファイル変更を以前の状態に戻す「タイムリワインド」。

こんな時に使います

岡田さんは、Claude に「リファクタリングして」と頼んだら、想定外の大規模な変更が入ってしまいました。ファイルが 10 個も書き換わっていて、手で戻すのは不可能。/rewind を実行して、変更前の状態に巻き戻しました。会話履歴も一緒に戻ったので、最初からやり直せました。

実行画面のイメージ

> /rewind

  Rewind to a previous checkpoint
  ─────────────────────────────
  ◉ 14:32  Before refactoring (auth.ts, login.tsx, ...)
  ○ 14:15  Before adding tests
  ○ 13:48  Before /goal command
  ○ 13:02  Initial state
  ─────────────────────────────
  This will revert both conversation AND file changes.
  ↑↓ to select, Enter to rewind

使うとどうなる?

  1. これまでのチェックポイント一覧が表示される
  2. 戻したい時点を選択する
  3. ファイルの変更も会話履歴も同時に巻き戻る
  4. 選んだ時点から再開できる

使わなくてもよい場合

  • 変更で問題が起きていない時
  • 手動で部分的に直したい時(Git の方が適切)

関連する他のコマンド

補足(専門用語の解説)

チェックポイント
Claude が自動で作る「セーブポイント」。
リファクタリング
動作を変えずに内部構造を整理すること。
🆘
こんな時の救世主

Claude が暴走して大量にファイルを書き換えた/試した変更がうまくいかなかった/やり直しの方が早いと判断した。

🔄
重要な変更履歴

2026 年 4 月 14 日の v2.1.108 で、/undo/rewind のエイリアスとして追加されました。どちらでも同じ機能が呼び出せます。

藤川.com の一言

「あ、これ違うわ」と感じた瞬間に /rewind。粘って手で直すより、戻して指示を出し直す方が早いことの方が多いです。心理的セーフティネット。

19 第19位 / 書き出し

📤 /export — 会話を Markdown ファイルへ書き出し

会話の中身をファイルに書き出して「お持ち帰り」できる保存機能。

こんな時に使います

石川さんは、Claude と一緒に作った企画書の議論内容を、後で同僚に共有したくなりました。/export proposal-discussion.md と打つと、これまでの会話全体が Markdown ファイルとして保存されました。Slack やメールで共有することも、Notion に貼り付けることもできます。

実行画面のイメージ

> /export

  Export options:
  ─────────────────────────────
  ◉ Save to file
  ○ Copy to clipboard
  ─────────────────────────────
  Filename: conversation-2026-05-14.md

  ✓ Exported 47 messages
  ✓ Saved to: ./conversation-2026-05-14.md
  ✓ Format: Markdown
  Size: 32 KB

使うとどうなる?

  1. 現在のセッションの会話全体がエクスポートされる
  2. ファイル保存またはクリップボードコピーが選べる
  3. デフォルトは Markdown 形式(他のツールで開きやすい)
  4. ファイル名は指定可能(/export myfile.md

使わなくてもよい場合

  • セッションをそのまま保管したいだけの時(Claude Code が自動保存)
  • 共有予定がない時

関連する他のコマンド

補足(専門用語の解説)

Markdown(マークダウン)
文字飾りができる軽量な書式。# 見出し のような書き方。
クリップボード
コピー&ペースト用の一時保存領域。
📤
主な活用シーン

議事録として保管/同僚に共有(Slack、メール)/ナレッジベース(Notion、Confluence)に蓄積/ブログ記事の元ネタ/学習履歴の振り返り。

✏️
応用テクニック

/export decision-log.md(ファイル名指定)、/export --clipboard(クリップボードへ)。

藤川.com の一言

「これいい話できたな」と思ったセッションは即 /export。あとで Obsidian や Notion に貼っておくと、再利用できる資産になります。

20 第20位 / 全体設定

⚙️ /config — Claude Code 全体の動きを変える

Claude Code 全体の動きを変える「設定画面」。

こんな時に使います

村上さんは、Claude Code のデフォルトテーマが暗くて目が疲れることに気づきました。/config を開いて、テーマを「ライト(明るい背景)」に変更。エディタモードを「vim(自分が慣れた操作体系)」に切り替え、フォントサイズも調整しました。これで一日中快適に使えるようになりました。

実行画面のイメージ

> /config

  Configuration
  ─────────────────────────────
  General
    Theme:           Dark      ▼
    Editor mode:     emacs     ▼
    Language:        日本語     ▼
    Verbose mode:    Off

  Permissions
    Default mode:    ask
    Auto-update:     Enabled

  Advanced
    Release channel: stable    ▼
    Telemetry:       Enabled
  ─────────────────────────────
  ↑↓ navigate, Enter to edit, Esc to save

使うとどうなる?

  1. 設定項目が一覧表示される
  2. テーマ・言語・エディタモードなどを変更可能
  3. 設定は ~/.claude/settings.json に自動保存される
  4. 変更は即座に反映される

使わなくてもよい場合

  • デフォルトで快適な時
  • 一つの設定を変えたいだけの時(個別コマンドの方が早い)

関連する他のコマンド

/theme テーマだけ変えたい時 /keybindings キーボードショートカットだけ変えたい時 /permissions 権限設定だけ変えたい時

補足(専門用語の解説)

vim / emacs
老舗のテキストエディタの操作体系。それぞれ熱心なファンがいる。
Telemetry
利用統計の送信(プライバシー設定)。
🔄
重要な変更履歴

2026 年 4 月 23 日の v2.1.119 で、/config の設定が ~/.claude/settings.json に永続化されるようになり、プロジェクト/ローカル/ポリシーの上書き優先順位にも参加するようになりました。

⚙️
よく変える設定 TOP 5

Theme: 目の疲れ対策に明暗を切替/② Editor mode: vim 派 / emacs 派 / 通常/③ Language: 日本語 UI / 英語 UI/④ Verbose mode: 詳細表示のオンオフ/⑤ Auto-update: 自動更新の有無。

藤川.com の一言

セットアップ初日に 5 分かけて触っておくと、毎日の快適度がじわじわ効いてきます。テーマ、言語、エディタモードだけは自分仕様に。

21 / Chapter Cheat Sheet

この 5 本の使い分け

こなれた使い方の5本、迷ったときの一覧。

コマンド こんな時 こうなる 一言コツ
/doctor 何かおかしい 原因と対処法を表示 困ったら最初に1回
/effort コスト or 品質を調整 思考深度を 5 段階で切替 作業の重さに合わせる
/rewind 変更を取り消したい 会話とファイルを巻き戻し 違和感を感じた瞬間に
/export 会話を共有したい Markdown ファイルに保存 良いセッションは即書き出し
/config 挙動を一括調整したい 全体設定の一覧画面 初日に 5 分かけて整える
5本まとめての使い方

違和感は /doctor、コストと品質は /effort、やり直しは /rewind、価値ある会話は /export、土台は /config。Claude Code を「動かす」段階から「整える」段階に移るための5本です。